東京戦厄高校第72討伐班 三上康明(ダッシュエックス文庫)
バランス最悪の落ちこぼれチームの絆が導くトライアングル学園バトルファンタジーストーリー。
単一では戦えない能力の活用と連携、落ちこぼれからの成り上がり、人を捕食する正体不明の化物との戦い。
と、正に友情・努力・勝利を柱にした、古き良き少年漫画の熱さを感じさせる作品ですね。
信頼し合い、力を合わせるという、チームに主眼を置いたスタイルも王道っぽさがありますし
バトル描写も、チームの各々がやれることをやろうという必死さが伝わってきて読み応えがあります。
ラストはチームの成長と絆で死闘を乗り越え、そしてこれからもチーム「トリニティ」の物語は続いていくよエンド。
ラブコメ的には、ヒロイン二人が主人公への想いを確認し合い、爽やかな三角関係が形成されたところで終了。
主人公は最強の「災厄を討つ者(ディザスター・シューター)」を目指す少年。
良く言えばまっすぐ前向きで純粋、自分の信念を曲げない意志の強さとへこたれなさがあり
悪く言えば頑固で無鉄砲、そして向こう見ずな単純バカにして、能天気で楽観的な自信家。
大言壮語が多く、いつもうるさくて暑苦しい上人の話をあまり聞かないタイプだが
仲間を想う気持ちは人一倍強く、間違いや失敗を反省し、次に活かそうとする素直さを持っており
何よりも、目先のことにとらわれず、物事の本質を見つけて優先できる力を持っている。
最弱お荷物能力と蔑まれる「迅引」の能力者だが、その才能ランクは史上初のSS。
ヒロインはエリートなお嬢様、天然系巨乳少女。あと、昇格候補に人気者の副会長なども。
一番のお気に入りは破損した武装を修理できる「復慈」の能力者、千早川アリス。
気弱で泣き虫で後ろ向きで恥ずかしがり屋、と内気な性格の少女。あと、少し天然ボケで夢見がちなところも。
おどおどするかぼうっとしていることが多く、反応も鈍いが、ここぞという時の一生懸命さと集中力は凄い。
身体が弱く、背も低いが、胸のサイズはかなり立派で、料理の腕も一級品。
評価はB。
世界観や設定などの土台がシッカリしており、それゆえに話に無理がないのでスラスラと読めました。
キャラに関しては、とにかくブレずまっすぐ前向きに突き進んでいく主人公が見ていて気持ちよかったです。
危なっかしくはあるけれど、常に目線と足は前へ! なので常に頼もしく、存在感も抜群でしたし。
また、そんな彼に苦労しつつも、引っ張られるように成長していくヒロインたちも可愛く魅力的だったかと。
本筋はチームの抱える問題が解消され、いよいよ飛躍の時! といったところでの終了と非常に残念な結果に。
最終巻も、いくつかの重要イベントがあっさり流されてしまうという消化不良感の残る出来でしたし。
もっとトリニティの成長と活躍、そしてラブコメ模様を見ていたかっただけに、この打ち切りはただただ残念。