湯けむり温泉郷まほろばの非日常   水樹尋(講談社ラノベ文庫)



ド田舎の学校に転入した少年と、おんせん部の少女たちの心も温まるほんわかラブコメディ。
大きな事件や深刻な展開はほぼ皆無で、人と人とのあたたかな触れ合いがメインになっています。
部活にしても温泉にはいって皆でお喋りするだけ、とトーク系の要素が濃いですし。
勿論、風呂はヒロインたちとの混浴なので肌色成分はかなり多めと読者サービスもバッチリ。
ラブコメ面は主人公が村で唯一の若い男ということもあり、環境的にはハーレム状態なわけですが
ヒロインたちよりもむしろ家族側のプッシュが強いなど、過疎村ならではの展開が楽しい。

主人公は都会からド田舎の村に引っ越してきた元ガリ勉少年。
話し下手で人付き合いが苦手、そして優柔不断で押しに弱い性格をしており
中学時代は勉強ばかりしていたため、成績は優秀だったが、親しい友達はいなかった。
しかし、意外に頑固で熱くなりやすいところもあったりと、それなりに男らしい部分も。
お笑い番組が唯一の趣味で、その影響もあってかツッコミ体質だったりする。
男女関係に関しては純情かつ草食系。

ヒロインは大人びた先輩、巨乳元気娘、人見知りハーフ少女、純真ゆるふわ巫女、しっかり者な小学三年生。
二巻にてドジっ娘先輩が参入。。
一番のお気に入りは外国人の母親を持ちながらも、生粋の村娘であるハーフな小学六年生、柊里莉奈。
自身の容姿にコンプレックスを抱いており、自分に自信がなく、人一倍神経質で心の機微に敏感で
内気で人見知り、そして恥ずかしがりやで遠慮しがちな性格をしている。
だが、一度仲良くなると凄く懐くタイプで、趣味がアニメなどのインドア系なことから、結構耳年増なところも。
絵が好きで、将来はイラストレーター志望。

現時点(二巻)においての評価はB。
とにかく田舎の良い部分を前面に押し出している感じの作品ですね。
村人たちは賑やかな上、余所者である主人公に対しても開放的で気安く、あたたかですし
ヒロインたちも、皆スレたところがなく純朴純真で性根が良い娘揃いと嫌味がなく
そして、そんな隣人たちに囲まれて、徐々に村へと溶け込んでいく主人公の姿にはほっこりできました。
田舎ものお約束の村おこし&過疎問題が取り上げられたりもしますが、重い展開にはなりませんし。
ただ、三巻が出る可能性は低いらしいんですよね…個人的には是非続きが読みたいのですが。