I=P   春日秋人(富士見ファンタジア文庫)



魔王の息子な主人公と女神なヒロインを中心にしたハイテンション学園イチャラブコメディ。
平和のための偽恋人関係、実家に問題のある平穏主義な主人公、共通項を持つ主要登場人物たち。
と、全体の枠組みは週刊少年ジャンプのニセコイそっくりですね。スケールはこっちのほうがデカいですが。
コメディ主体ながらも、一応シリアス風の伏線などもあるので、完全に一致というほどではないのですが…
ラブコメ面は一見するとハーレムラブコメ風ではありますが、設定的にメインヒロインである天野マリアが
有利過ぎる点が気にかかるところ。この状況で最終的に他ヒロイン選びます展開はかなり難しそうですし。

主人公は魔王の息子(人間とのハーフ)な高校生の少年。
目つきがあまりにも凶悪であるため、周囲から怖れられる日々を過ごしている。
しかし、その内面は外見とは正反対で、面倒見がよく、お人よし。そして、争い嫌いな常識人。
異性に対しても、年齢相応の興味こそあれど、基本的に純情だったりする。
なお、周囲に誤解され続けてきた過去ゆえか、割と打たれ弱い一面も。

ヒロインはミニチュアな女神、聖女なクラスメイト、クールな猫耳メイド。
あと、主人公に仕えている眼帯執事が男装少女っぽい?
一番のお気に入りは誰にでも優しいクラスメイト、姫川ゆい。
人懐っこく、相手が誰であっても分け隔てなく優しいため、周囲からは聖女と呼ばれており
悪魔のように怖れられている主人公に対しても他の人間と変わらない態度(むしろ特に優しい?)で接している。
悩みは誰にでも優しいと思われていること。

現時点(一巻)においての評価はC。
決して面白くないわけでも、ラブコメ描写が下手なわけでもないのですが…
いかんせん、ニセコイとの類似点が多すぎるため、読んでいて既視感を覚えまくりなのがツライ。
あと、少々進行のテンポが早すぎて置いてきぼりを食う場面がチラホラあるのもマイナス点でしょうか。
キャラに関しては、チョロ可愛いメインヒロインをはじめとして、良いキャラ揃いなんですけどね。
折角色々な伏線が用意されているようですし、もうちょっと丁寧な描写を望みたいところです。