異界神姫との再契約 望公太(GA文庫)
召喚された異世界で魔王を討伐し、元の世界に帰還した少年が再び異世界に舞い戻り
かつての仲間である最強の神姫たちを救うべく奮闘する、リユニオンファンタジー。
敵は元仲間であり、戦って口説いて惚れさせることが目的な救世物語二週目、という設定がグッド。
もう完全にハーレム待ったなしですな。主人公ももう異世界で骨を埋める気満々ですし。
主人公主観では一年だけど、異世界では十年経っているというギャップも良いスパイスになっています。
ラブコメ面は一巻で判明しているだけでもヒロイン候補が十四人と、先にかなり期待できそう。
主人公はかつて十二の神魔を従え、魔王の討伐に成功した少年。
のんきでマイペース、穏和にして面倒ごとが嫌い、内心が読み取りにくい。
と、あまり英雄らしくない性格をしており、実際、英雄願望や正義感、野心はかなり薄い。
ただ、欲望には忠実で、それゆえに自分が愛する者や世界にはどこまでも心を尽くそうする。
意外にキザなところがあり、歯の浮くような台詞を吐くこともしばしばだが
間が抜けているのか、決めるべきシーンで思い切り外してしまうタイプ。
ヒロインは童貞厨神魔、ツンデレ神魔、巨乳眼鏡軍人(姉)、貧乳妹分軍人(妹)
他、ぐーたら僕っ娘神魔などヒロイン候補は多数。
一番のお気に入りは第一章「暴風」なる神魔、リューラ=ベガ。
十二神姫では少数派だった、主人公を唯一絶対の主と認めていたうちの一人。
平和を愛し、争いを好まず、人間や動植物に対し慈愛や敬意の感情を抱いている心優しい性格。
気性も穏やかで大人びており、とにかく誠実でとことん従順なのだが、反面、ロマンチストな面も持っていて
それに加え、貞操観念が強いというか、相手の「初めて」を凄く気にする童貞厨だったりする。
現時点(二巻)においての評価はC。
一貫して行動理由が「大切な人のため」とブレなくシンプルな主人公がいいですね。
共感しやすく、その方向性が物語の目的と合致しているので大筋が飲み込みやすいですし。
同時に、その考え方ゆえの危うさも示唆されているため、話が単調になっていないのもいい感じかと。
ヒロインも数は二桁確定と十分ですし、再攻略という形式も新鮮で面白い。
しかしこの作品、ヒロインの数を考えると一巻一人攻略だと単純計算で十二巻はかかることになるわけですが…
人間同士の争いや、番外神魔の存在、魔王復活の伏線も考慮するとかなりの長編になりそうな予感。