鎧の姫君たち   葉村哲(MF文庫J)



太古の竜と契約し、融合した少年が異世界で子孫を残さんとハーレムを目指す、ファンタジーラブコメ。
異世界転移、主人公最強な厨二バトル、無一文からの成り上がり、勘違いコメディ、お約束のラッキースケベ。
と、盛りだくさんな内容です。特に、突き抜けた主人公の持ち上げられっぷりは癖になるレベルかも。
ただし、メインはあくまでチョロ可愛いヒロインたちとのハーレムラブコメです。
キャラにまるで嫌味がなく、軸にもブレがないため、サクサク読めて楽しい作品ですね。
ラブコメ面は三巻で九人のヒロインと婚約してハーレムエンドまっしぐら。

主人公は太古の竜ティアマトと契約し、融合した少年。
真面目そう堅苦しそうとあまり評判のよくない無愛想な顔の持ち主。
実際、元の世界では生徒会副会長を務めており、勉強を苦にせず、身だしなみもきっちりしていたりと
外面は評判通りと評しても間違いではなかった。しかし、ハーレム作り、竜との同化、異世界転移などを
あっさり承諾するなど、内面は真面目とは言いがたかったりする(ただ、大物なのは間違いない)
大きな力や地位を手に入れても調子に乗らず、むしろ萎縮するなど、実は結構小市民的な性格。

ヒロインは純粋無垢な魔王姫、真面目な第三皇女、クールビューティーなメイドさん。
技術家な鉄竜姫、お転婆な大公姫、ボクっ娘海賊歌姫、物静かな巫女姫、ポンコツ双子姫。
あと、ヒロイン予備軍に天才な幼馴染、武神な学院長、元天竜な義娘など。
一番のお気に入りは暗殺諜報部隊所属にして魔王姫ネフェルティアの専属従者な魔族少女、ラクリマ・ベーゼ。
能力は高く、忠誠心も完璧なのだが、主を甘やかしすぎるという欠点持ち。
常に真意の見えない水晶人形めいた無表情をしており、その外見通り感情の起伏が少なく、羞恥心も薄い。
喋る時も無機質な声音で容赦のない率直な物言いばかりと、正に文字通りのクールビューティー。
ただ、淡々と無表情なわりに、案外お茶目なところもあったりする。

現時点(三巻)においての評価はB。
周囲からこれでもかと持ち上げられても、あくまで等身大の自分を貫く主人公が良い感じ。
変に鈍感でもヘタレでもなく、欲望を素直に抱き、決めるべき場面で決めてくれるのでストレスがたまらず
だからこそ、チート能力と勘違いが組み合わさって評価が高まっていく過程が面白い。
相棒(相談)役のティアマトも中々いい味を出していて、邪魔に感じることはありませんし
何よりも、安定の即落ちチョロインズは相変わらず抜群に可愛くてニヤニヤが止まりません。
しかしこの作品、やたらと巨乳描写がプッシュされすぎである、いいぞもっとやれw
本筋はいきなりのヒロインの大量投入+チョロイン化+婚約まっしぐら。そして、強大な敵を倒した上での
俺たちの戦いはこれからだな締めと、明らかに打ち切りエンドっぽいのですが続きは出るのだろうか。