マスターブレイズ　　　栗栖ティナ（一迅社文庫）



マスターブレイズと呼ばれるスポーツ剣技が広く普及した現代を舞台にした剣術バトルアクション。
主人公の人生を筆頭に、少々設定に強引な点や融通の利かない点がありますが
学園バトルスポーツ＆ラブコメとしては綺麗に纏まった構成になっている作品かと。
お約束のラッキースケベイベントや、主人公の痛快な活躍などもちゃんと抑えてあるので
エンターテイメント度はかなり高いといってよいですし。

主人公は剣以外の道を選びたいと願い奮闘する少年。
幼少期から、家族に虐待レベルの猛稽古を押し付けられて育ってきた。
そのため、剣術の腕前は飛びぬけたものを持っているものの、剣の道に嫌気が差している。
目つきが悪く、愛想がない風貌をしているが、基本的に善人で単純な性格。
また、優柔不断で流されやすいが、意外に頑固なところも。

ヒロインは剣術バカな女剣士、頭脳派な同級生、高飛車な生徒会長。
一番のお気に入りは頭脳明晰な同級生、小笠原咲。
気弱で大人しく、純情。また、お人よしで面倒見も良いなど、女の子らしい性格。
が、根の部分では結構無謀だったり大胆なところも。
剣士としては洞察力や作戦立案能力の高い頭脳派なのだが、喘息持ちで身体が弱いため
肝心の実行力が追いついてこないという弱点がある。
なお、体格は小柄だが胸は爆乳サイズ。

現時点（一巻）においての評価はＣ。
設定、キャラ、展開全てがテンプレに則ったものになっているので読みやすさは抜群。
その分、目新しさや印象に残る描写はないものの、小難しさや不快な要素がないのはグッド。
ヒロインたちが主人公に好意を持つ経緯がきちんと描かれているので、素直にラブコメを楽しむこともできますしね。
まあ、細かいことを言えば主人公の境遇が酷すぎ、現状打破目指すなら他にやりようがあるだろ。
みたいなツッコミを入れたくなるのがマイナス点ではありましたが。