魔王と姫と叡智の書 霜野おつかい(GA文庫)
残念姫とお人よし魔王のドタバタラブコメファンタジーストーリー。
とは銘打ってあるものの、内容の大半は下ネタコメディでラブ要素はおまけ程度。
あと、正義と悪のバトル、種族の違いによる苦悩、みたいなお約束のシリアス要素は皆無。
それだけに軽い読み味でサラッと読めますが、印象には残りにくい作品ですね。
肝心のメインヒロインは勇者でなく姫というあたり、少し捻りが見えますが…
主人公は日々仕事や部下に苦労する魔王。
魔王ではあるが、残虐外道な思想や業務には興味がない。ただし王としては有能。
争い嫌いの平穏主義者で、真面目で異性に奥手。更にはツンデレ気味の人の良さあり。
と、能力面以外ではまったく魔王らしくないキャラをしている。
ヒロインはエロ同人漫画家なお姫様のオンリーヒロイン体制の模様。
一番のお気に入りは魔王城に誘拐されてきたお姫様、アンジェ・レ・グラントリカ。
一見すると清楚で可憐、純粋無垢でスタイル抜群、容姿端麗なパーフェクト美少女お姫様。
しかしその実態は、エロ同人漫画家であり、平気で下ネタ発言&思考をする残念姫。
ただ、耳年増なだけなので、ラキスケイベントなどには普通に純情だったりする。
性格的には、底抜けに明るく、素直で人見知りをせず、気取ったところがないなど
下ネタ思考さえなければ正に理想のお姫様。
現時点(二巻)においての評価はC。
世界観が社会構造以外は現代に即したもの(ネットや電話がある)になっているので
ファンタジーでやる意味があまり見出せないのが難点ですね。
まあ一発ネタとしてなら、楽しめる作品だとは思いますが。魔王も姫も良いキャラをしていますしね。
ただ、それだけにラブコメ度をもっと濃くしてほしいところ。
世界観がかなりファジーなので、イベントはいくらでも作れそうではありますが、さて。