竜と魔女の住む屋敷   門倉敬介(富士見ファンタジア文庫)



封印されていた少女を助けたがために、奇妙な同居生活を開始することになった主人公の物語。
一つ屋根の下ホームコメディと魔術バトルの組み合わせ構成になっています。
全体的に地味な印象を受けますが、家事万能主人公と、日常ポンコツヒロインたちの
日常生活の掛け合いが楽しくていい感じ。
反面、設定&シリアスパートは、わかりにくい単語多数で飲み込むのが少々面倒かも。

主人公はふとした切欠で竜と魔女の住む屋敷で暮らすことになってしまった少年。
面倒見がよく、大のお人よしで呑気かつ楽観的な性格。
家族を失った過去から、困っている人を見過ごせない、他人を助けることに固執している。
学校では目立たず、大人しく暮らしているが、護身術の練習を習慣にしているといった一面も。
家の家事を一手に引き受けていたため、かなりの主夫気質であり、当然家事は万能。

ヒロインは人間になりたい竜少女、仮面優等生な魔女。
一番のお気に入りは学校と屋敷でまるでキャラの違う魔女、嵯峨野詠美。
学校では、人当たりのよい校内一の美少女優等生を演じているが
素は我侭な上独占欲が強く、自分勝手で怒りっぽく負けず嫌いで勝気な性格だったりする。
また、屋敷での生活態度もズボラそのものであり、当然家事はできない。
しかし、亡くなった家族のことを大切に思っていたり、魔女としての誇りは高かったり
思い込みは激しいものの、優しいところもあったりと暴君なだけではない。

現時点(一巻)においての評価はC。
ホームコメディ全開の日常パートの掛け合いは文句なし。
それだけにやや尺を取ってる魔術関係の説明やバトルパートがテンポを悪くしているかな、と。
あと、主人公のキャラも、お人よしが過ぎるというか危機感がなさ過ぎで
度々出てくる空気を読めてない言動に苛立ちを覚えることも。
状況的に、毎回日常生活&刺客を撃退のワンパターンになりそうなところも不安要素ですかね。