量子魔術の王権魔導 ハヤケン(HJ文庫)
携帯端末で魔術を操る少年少女たちの学園バトルアクションストーリー。
スマホで魔法、というインパクトは抜群ですが、肝心の魔術バトルは他作品と大差なしな印象。
ぶっちゃけ、主人公の特性を活かすためだけの一発芸設定っぽいんですよね。
内容そのものは安定感のある王道の異能学園ものといった感じで読みやすいです。
文章も軽快で、シリアス風味な設定や裏の陰謀があっても、重さを感じさせませんし。
主人公は魔術の才能がなくも、幼馴染を守ろうと奮闘する少年。
正義感が強く、困っている人や弱い人を見過ごせない気性の持ち主。
そして、前向きかつ単純バカで子供っぽい性格。そして根性論者でもある。
また、意外によく人を見ており、結構気も利くほう。
見ていて気持ちの良い愛すべきバカタイプの主人公だが、ネーミングセンスは壊滅的。
あと、魔術の才能こそないが、剣術の腕前は相当なものだったりする。
ヒロインは才女な幼馴染が一強状態で、サブにクーデレブラコン妹、ヒーローマニア生徒会長。
一番のお気に入りは世界有数の強力な魔術師である銀髪幼馴染、綾芽・アルマワート・守屋。
容姿、スタイル共に非の打ち所がなく、魔術の才能も最高クラス、しかも財団の後継者候補筆頭。
かといって自身の凄さを鼻にかけるようなところもなく、正にパーフェクト美少女。
ただ、幼少期から自分を助けてくれていた主人公に対してだけは話が別であり
ツンデレ(内心デレまくり)な態度をとりながらも、日々彼と結ばれるための努力を欠かさない。
そんな彼女の恋愛観は乙女チックなものではあるが、同時に肉食系な部分もあったりする。
現時点(二巻)においての評価はB。
前向きな主人公と、彼を取り巻くヒロインたちのアクティブさが読み味を軽くしてくれます。
ラブコメ面では綾芽の一強状態ではあるものの、サブの面々も存在感があって賑やかですしね。
彼らの掛け合いが醸し出すライト感溢れる空気は実に好みです。
ただ、雰囲気の明るさとテンポの軽快さが前に出すぎているせいか、タメや緩急に欠けていて
魅せ場前後のメリハリがイマイチなのが残念。