リアルフォース・イグニッション　　　七烏未奏（講談社ラノベ文庫）



狂精霊と呼ばれる人類の脅威と戦える人材を育てる学園を舞台にした、バトルアクションストーリー。
魔法＆パワードスーツ系の装備、一長一短な才能を持つ主人公、謎の敵対生物、学内大会。
そして相棒（武器）は女の子。と、よくある要素を詰め込んでみました的作品ですね。
展開もお約束に沿う感じで、良く言えば王道で安定感があり、悪くいえばありきたりといったところ。
ヒロインたちも目新しさはない感じですが、毒もないのでラブコメ方面は不安なしっぽい。
今のところヒロインレースは幼馴染の桔梗が独走状態ですが、さて。

主人公は義母に呼び出され、かつて去った地に舞い戻ってきた高校生の少年。
義母に鍛えられたのと、探偵のような仕事をこなしていた経験から荒事慣れしており
トラブル時（ただし色恋沙汰を除く）にも冷静さを保てるメンタルを有している。
立場上謙虚で控えめな態度をとることが多く、まっすぐで落ち着いた性格だが
過去に妹を亡くしたトラウマから、誰かを護りたいという強い気持ちを持っている。

ヒロインは無垢な人型精霊核、優等生な幼馴染、サムライ好きのお嬢様。
一番のお気に入りはクラスメイトでお嬢様な幼馴染、竜宮寺桔梗。
実技座学共に優秀な成績を収めており、物腰穏やかで容姿端麗。細やかな気配りも出来る。
そのため、学園ではトップクラスの人気を誇るが、当の本人は幼い頃に惚れた主人公しか目に入っておらず
離れ離れになっていた間も彼のために様々な努力をこなしていた。
根は初心で照れ屋なのに、積極的かつ大胆なアプローチを繰り返すあたりにも、その本気度がうかがえる。
意外にお節介で強引、そしてヤキモチ焼きなところがある。あと、大の苺好き。

現時点（二巻）においての評価はＣ。
設定、展開、キャラ、描写。全てにおいて「どこかで読んだ」感が抜けない印象。
無理矢理さや説明足らずな部分があまりなく、スラスラ読めるのは良いんですけどね。
主人公も言動にブレが少ないので、フラストレーションがたまることもないですし。
ただ、地に足が着いている反面、全体的に中身がなく話が薄っぺらいというか、インパクトがなく
一度読めばもうそれでいい、みたいな感想しか抱けない感じでしょうか。