魔王軍の軍師はじめました 長野聖樹(講談社ラノベ文庫)
ある日突然現われた魔王な少女の要請に応え、魔王軍の軍師となった主人公の奮闘記。
最近見かけるようになってきた軍師主人公ものですが、路線は戦記ではありません。
バトルもメインが単独か少数戦なので、軍師というよりは指揮官や教官、あるいは宰相に近い感じでしょうか。
最終巻では大規模な戦いが発生し、らしい活躍が描かれてはいたんですけどね。
ラストは日本統一を果たし、しかし魔王軍の戦いはこれからだエンド。
ラブコメ的にはメインヒロインのルキフェルがほぼ正妻確定っぽいも、魔界は一夫多妻制であり
他ヒロインもその制度を利用する気満々のようなので将来的なハーレムは間違いないと思われ。
主人公はヤクザの若頭と魔王軍の軍師、そして普通の学生を兼任する苦労性の少年。
親戚が極道であり、また自身も若頭の役職に就いているため周囲からは危険人物だと誤解されている。
しかし本人は至って温厚かつお人よし。聡明で思慮深い性格の一般人メンタルの持ち主でしかない。
そのため、周囲から避けられるぼっちな境遇を嘆く毎日をおくっている。
中学時代の空回り努力と、ヤクザ同士の抗争による実戦経験から軍師としての能力は高い。
ヒロインは尊大な魔王様、クールなグリフォン、天真爛漫な獣人、失言癖持ちの死霊魔術師。
舎弟な義理の従妹、正義感の強い風紀委員長、ストーカー幼馴染、天邪鬼な孔雀天女、ニート吸血鬼。
一番のお気に入りは魔王直属の魔術研究機関のトップな死霊魔術師、マーニス。
死霊魔術師という引け目から、気が弱く常におどおどした態度をとっている。
また、頭こそ良いものの、テンパりやすく思考がすぐに明後日に向いてしまうタイプ。
失言癖があり、見かけに反した容赦のない台詞を吐くことが多い。なお、胸の大きさには自信がある模様。
評価はC。
タイトルに反し、バトルよりキャラ同士の掛け合い重視の作風になっています。
勿論、軍師要素を活かした展開やバトル描写もありますが、ドタバタラブコメの色の方が濃い感じでしたね。
本筋は未打倒の敵や謎がかなり残ったままでの終了と典型的な打ち切りオチでしたが
この後はひたすら戦争になるであろうことを考えると、ここで一区切りしたのは悪くはなかったかと。
とはいえ、折角下地があるのだから、ドタバタ学園生活や魔界&天界編も読んでみたくはありましたが。
三巻完結ゆえに、掘り下げが不十分なままのヒロインも何人かいましたし…