ヴォーテクス学園戦記   山田有(講談社ラノベ文庫)



五つの学園を統べる覇者になるために、軍師として活躍する主人公の学園戦記バトルアクション。
異能バトル、国取り戦争要素、学園ラブコメ。と、色々詰め込み具合が無茶な作品ですね。
こういうのは得てしてバランスをとりきれずに破綻するケースが多いですが
当作品は今のところ上手い具合にバランスが取れている印象。
まあ、色々ご都合主義や強引なところもありますが、気にしたら負けです。

主人公は軍師として所属学園の勝利を目指す少年。
思慮深く、頭が回り、洞察力が鋭く、弁も立つと軍師適正が高い。
性格的には愛想がなく、何事にも動じない、不器用。というのが本人の自称なのだが
実際は人に気を使えたり、異性関係で動揺しやすかったりする。
なお、顔はハンサムな部類の模様。

ヒロインは頑張りやな大剣使い、高慢なレイピア使い、肉食系な刀使い、クール無表情な盾使い。
あと、生真面目生徒会長なども。寝返りルールがあるのでヒロイン増加の可能性は高い?
一番のお気に入りは意外にパワフルな盾使い、水代奏。
無口で無表情と内心を読み取りにくい雰囲気と温度の低い可愛さの持ち主で
口を開いても、淡々とした口調でマイペースなところがあるため理解されないことが多いが
その内面は一途で健気。気丈で勇敢でもあり、更には観察力に長け、頭の回転も速いなど見かけによらない。

現時点(一巻)においての評価はC。
軍師系の主人公ではあるものの、お約束通り隠された力持ちなので
頭脳面と戦闘面の両方で活躍できるのが美味しいですね。
ただ、異能バトルはともかく、学園ラブコメはルール的にやってる暇があるのか気になるところ。
決着がつくまで二十四時間臨戦態勢(しかも主人公とヒロインたちは一騎当千の主力)なわけですし。
戦争パートにしても、異能がある以上能力一つで策がひっくり返るわけで。
そこを補うための、ヒロインがチョロすぎ展開なのでしょうが。ツンがいたら詰むもんなこの状況……