帰ってきた元勇者 明秀一(ぽにきゃんBOOKS)
異世界で魔王を倒しながらも、権力争いに巻き込まれ地球に強制送還されてしまった元勇者が
自力で再び異世界に渡り、女の子にモテモテな異世界ハーレム建築を目指す物語。
いわゆる強くてニューゲーム状態なので、主人公は煩悩塗れながら場慣れしていて実力もかなり高いです。
そのせいか、バトルパートにおけるシリアス要素は薄めであり、全体的なノリも結構軽め。
ラブコメ面は十一巻時点で嫁の数が十二人と文句なしですが、流石に打ち止めか?
しかしエンディングで、というのはたまに見かけますが、本編中に結婚(しかも複数回)するのは珍しい…
主人公は異世界で魔王を倒した経験のある元勇者。
惚れっぽく軽薄で、場の雰囲気に流されやすい性格。あと、思っていることが表情に出やすい。
また、己の欲望に忠実な性格をしており、状況次第では場を問わずに平気で女の子にセクハラを働く。
更には、ガチのハーレム願望を持っていたり、エロ妄想にふけることが多かったりと
かなり夢見がちな部分もあるが、囲った女の子を養うためにお金を稼ぐ必要性や
権力の危険性を理解していたりと、結構現実的な部分も持っていたりする。
ヒロインは天真爛漫弟子、傲慢ロリ魔族、メイドな獣人娘、キレ者な第三王女、ボクっ娘エルフ、褐色獣人娘。
ズボラドワーフお姉さん、生真面目女騎士、ツンツン魔族、お嬢様な受付嬢、二重人格な眼帯皇女、獣人従者娘。
一番のお気に入りは天才魔法使いのボクっ娘エルフ、セリスティア。
実技と座学の両面で優秀な魔法使いであり、同時に好奇心の強い研究者気質の持ち主。
女の子としては礼儀正しく常識人、純情で恥ずかしがりやな性格をしているが、実は耳年増なところも。
主人公のことは「おにーさん」と呼ぶ。あと、耳が弱点で朝に弱い。
現時点(十一巻)においての評価はC。
ハーレムスキーとしては、ハーレム建築を目指すというコンセプトと主人公の積極性は文句がないのですが
主人公に好意を持つ過程にやや説得力がないヒロインが何人かいるのが少し残念。
一応行間で好感度が上がっていたみたいな扱いになってはいるのですが、具体的な描写がないために
場面と同時に心情も飛んでしまっているような印象を受けました。後々その辺のフォローが入るヒロインもいますが…
ラノベにしては珍しく、ヒロインたちと(直接的な最中描写はないものの)一線を越えているなど
潔いまでに欲望に忠実な主人公の行動は評価点なんですけどね。四巻では結婚まで関係を進めましたし。
本筋はいよいよ佳境へ突入。次巻は全ての謎を握っているであろう魔王のもとへ。