キャノン・フィストはひとりぼっち   深見真(ぽにきゃんBOOKS)



人の記憶を喰らう「記憶喰らい」と戦う力を得た少年の現代バトルファンタジーストーリー。
分類的にはボーイミーツガールからの異能バトルものなのですが
敵が命に関わるレベルで記憶を奪う異形ということで、シリアス成分は結構濃い目な感じですね。
メインであるバトルパートは、設定&描写にハッタリがきいていて
ファンタジーの派手さとリアルの危険さが両立しており、読み応えがあります。
ラブコメパートはまだほとんど動きがない感じですが、主人公がかなりの好青年なので期待。

主人公はある日突然、人類に仇なす敵に対抗する力を手に入れた少年。
真面目で正義感が強く、悪を見過ごせない性格。しかし喧嘩には弱く、返り討ちにあってばかり。
が、どれだけ酷い目にあっても引くことのない意志の強さを持っている。
普段は物腰穏やかで懐が広く、接する人をほっとさせるタイプ。
なお、人にまっすぐぶつかっていく性分からか、無自覚に異性を口説くような言葉を吐くことも。

ヒロインは角の生えた転校生、引っ込み思案な保険委員、インドア派な眼鏡義妹。
あと、ヒロイン昇格候補にぼくっ娘アイドルやクールビューティー少女なども。
一番のお気に入りは引っ込み思案な同級生、片羽根燐。
大人しく恥ずかしがりやで、誰と話す時でも緊張してしまうほどの引っ込み思案。
色恋に関しても純情で、基本的に目立たないタイプの少女。
だが、胸は大きく顔も可愛くてスタイルはグラマーと、容姿は性格に反して自己主張が強かったり。
趣味は歌で、カラオケが好き。

現時点(一巻)においての評価はC。
人類を脅かす敵、という設定はよくありますが、その脅威が伝わってくる作品はあまりありません。
が、この作品における敵の「これはヤバイ」感はかなりのものですね。
おかげで、事件パートのハラハラ感と日常パートの安心感が際立っているのがグッド。
本筋に関しては、まだ導入部ということで謎も人間関係もこれからといった感じですが、完成度は高め。