風に舞う鎧姫    小山タケル(MF文庫J)



騎士の王を目指すことになった主人公のハイテンションバトコメ。
と書くとタイトルと合わせてシリアス風の印象を受けますが、実際は
女子校に女装して通うことになった主人公が、バトルで女の子のスカートを脱がす展開がメインです。
なので、主人公の言動が熱かったり、お約束の異能バトルなどのベタ展開があるにも関わらず
どうにも空気が読めていない感のある、しかしノリはいい作品になっていたり。
ラストは俺たちの恋&戦いはこれからだ風味エンド。

主人公は女装して騎士の王を目指す羽目になってしまった少年。
行動力があり、男気&正義感も強く、誰に対しても図々しく接し、距離をとろうとしないタイプ。
しかし、基本的に短慮であるためデリカシーに欠けている。
また、ハーレム願望があったり、スケベ心が強かったりと常に煩悩に溢れているが
基本的に真面目な性分なのか、いざお色気イベントに遭遇すると動揺してしまうことが多い。

ヒロインはツンデレ巨乳幼馴染、最強の生徒会長、小生意気な魔剣、毒舌クールメイド、自由人なチビっ娘。
サブヒロインに、依存心の強い保険委員長など。
一番のお気に入りは銀髪のはいてない生徒会長、響女ハカネ。
常にマイペースでのほほんとしており、疑うことを知らない、超がつくほどの素直な性格。
また愛くるしい見た目や「かも」をつける語尾の特徴があるため、可愛らしさが先行している感があるも
表面上は常に無感情&無表情なため、一見すると寡黙で神秘的な美少女。
なお、むしむしするという理由だけで、いつも(羞恥心は一応ある)ノーパン。

評価はC。
基本的に物語が受動的というか、芯(最終目的)がないのでノリだけで押すタイプの作品ですね。
この手の作品はキャラがどれだけ魅力的で活き活きしているかが鍵ですが…
肉感的な挿絵と、あざとさ抜群のヒロイン達の親和性がかなり高く、主人公も、適度にスケベで熱血。
と、作品カラーにマッチしていたのでコメディパートや掛け合いの描写に関してはバッチリ。
お色気描写も、脱衣バトルをはじめとしてカラッとしたノリで随所にちりばめられていて、グッドでした。
ただ、肝心のストーリー部分が空回りしまくってる感が強く、最後までグダグダさが抜けきらなかった印象。
実際、最後の締めも普通に次巻に続く、ができそうで話としては何一つまとまらないままでしたし。
単発のイベントだけに注目するなら、キャラ萌えノベルとしては優秀だったんですけどね。
シリアスとコメディが噛み合わないままだったので、結局はコメディだけでよかったんじゃないかという感想に。