白き煌王姫と異能魔導小隊 桐生恭丞(オーバーラップ文庫)
美少女隊員たちと無能な主人公の絆が生み出すタクティカルファンタジー。
立ちふさがる強大な腐敗組織、特化型ゆえに落ちこぼれな仲間たち、特異な力を持つ主人公。
と、設定はいかにも王道な感じですね。展開にも変に捻った部分はないですし、スラスラ読めます。
ただ、それゆえに新鮮味がなく、この作品ならではの売りがない印象。
主人公が世界観上の無能というだけで、読者視点では有能で好感の持てるキャラなのは良いんですけどね。
ラブコメ面は、今のところ二人のヒロインの一騎打ち状態でヒロイン追加はなさそう?
主人公は魔導が使えないにも関わらず、魔導小隊の隊長に任命されてしまった少年。
異常なまでの幸運の持ち主であり、運を使った勝負では不敗を誇っている。
また、魔導こそ使えないものの、知識や戦術に長けており、頭の回転も速い。
性格的には、思ったことが口に出るレベルの素直さではあるものの
真面目で気遣いができるタイプであり、それゆえに苦労を一身に背負い込むことが多い。
ヒロインは猪突猛進なツンデレ娘、無表情なクーデレ少女。
あと、高飛車貴族娘や冷徹な教官などがヒロイン昇格候補と思われる。
一番のお気に入りは単独で教会の騎士のこなす銀髪少女、フラン=ティーアマイネ。
常に無表情で、疑問符つきのゆっくりとした口調が特徴の少女。
しかし、意外と強情であったり、主人公へのアプローチがストレートかつ大胆だったりと
見た目でわかりにくいだけで感情豊かな一面も。
現時点(二巻)においての評価はC。
王道ゆえの読みやすさという点では文句なしなのですが、もう一捻り欲しいところ。
良くも悪くも安定感がありすぎて、売りが見えてこないというか。
あと、主人公が有能にもかかわらず、お人よしゆえに毎度負担を一手に引き受けてるのももどかしい。
最短ルートが見えているのに、わざわざ遠回りしているのを見せられるイライラ感というか。
まあその分、クライマックスパートでの活躍に落差効果があるのですが。