わたしのスライムになりなさい!   糸緒思惟(一迅社文庫)



ぼっちな少年少女たちによる、ドタバタMMOラブコメ。
特徴的なのは、リアルとバーチャルがそれぞれパート別で独立しているのではなく
同時に進行する構成になっているところでしょうか。
そのため、オンラインゲームが主題でありながらも、リアルコミュニケーション要素が強く
和気藹々感があり、楽しげな雰囲気が伝わりやすくなっている印象。
オンラインゲームを取り扱っている作品は、どうしてもリアルの描写が少なめになってしまうので
こういう「ゲームはあくまでコミュツールのひとつ」みたいなのは新鮮で良いですね。

主人公は物真似芸人なスライムをアバターとして与えられ、ゲームをプレイすることになった少年。
小市民で草食系、更にムッツリスケベで少々コミュ障なところがあり
そのため、学校に居場所がなく、いわゆるぼっちポジションに身を置いている。
また、始業式早々のトラブルから、周囲からは「発情大王」と呼ばれているという不憫なところも。
性格的には、結構なお人よしで、一つのことにのめりこむと周りが見えなくなるタイプ。
趣味はアクアリウム。

ヒロインはリアル嫌いな天才少女、ニート系ロリ娘、潔癖症なクラス委員。
主人公には一つ下の妹がいる設定になってはいるものの、一巻の時点では未登場。
一番のお気に入りは、ケンタウロスをアバターとして扱うクラス委員、瀬戸伊佐海。
主人公たちと知り合うまで、ゲームやアニメに触れずに生きてきたという天然記念物少女であり
委員長テンプレートともいえる、しっかりもの&お堅い性格で、貞操観念が強く極度の潔癖症。
当然、不純異性交遊に対しては過敏な反応を示すが、その実欲求不満なムッツリなだけという説も。
子供の頃からの演劇好きで、将来もそちらの道に進みたいと思っている。

現時点(一巻)においての評価はC。
シリアス要素皆無でテンポよく話が展開するため、読み安さはバッチリ。
少々ヒロインがチョロすぎるきらいはありますが、作風を考えるとちょうどよいかと。
適度にお色気イベントが用意されているのもお約束をわかってる感があり、好印象w
ただ、最終目標が設定されていないタイプの話なので、どう話を纏めていくのかが気になるところ。