奈々原七瀬のソシャゲー講座   天草白(一迅社文庫)



ソーシャルゲームを切欠に交流を始めた主人公とヒロインたちのラブコメストーリー。
一応ゲームバトル描写もありますが、メインは女の子とのラブコメです。
特に重いシリアスもなく、展開に捻りがあるわけでもない文字通りのライトノベルな構成になっており
肝心のラブコメパートも、トントン拍子でヒロインたちと仲良くなっていくストレスフリー仕立て。
それだけに読み応えは期待できませんが、わかりやすさ重視の作りになっているのは個人的には好みですね。
題材がソシャゲである必要性がない気がするのが気にしてはいけないんだろうなぁ。

主人公はソーシャルゲームを切欠に学校一の美少女と接近することになった少年。
容姿、成績、運動と全てにおいて平凡かつ普通。
やや鈍感なところはあるものの、お人よしで年頃の青少年らしい感性の持ち主。
唯一、幸運値だけはやたらと高く、ラッキー(スケベ)体質だったりする。あとおっぱい星人でもある。
尖ったところこそないものの、鼻につくところもない、ラブコメ主人公の代表のようなキャラですね。

ヒロインはゲーム好きな完璧少女、厨二病なツンデレ中学生、天真爛漫なスポーツ娘。
一番のお気に入りは完全無欠の最終兵器の異名を持つ、奈々原七瀬。
成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗にして黒髪巨乳(Eカップ)、料理の腕前もプロ級の完璧美少女で
普段は「奈々原ゾーン」と呼ばれる不可侵のオーラを身に纏い、どんな人間も寄せ付けない。
しかしそれは自分の気持ちを表現するのが下手なだけであり、本人はぼっちな現状を気にしている。
実際のところは、少し嫉妬深いところこそあるものの、気を許した相手には人懐っこく
ゲームが絡むと子供みたいな態度になったり、表情がくるくる変わったりと明るい性格。
また、かなりの純情少女でもあり、色恋沙汰には免疫がない。

現時点(一巻)においての評価はB。
とにかくヒロインたちが皆嫌味のない可愛さなので、何も考えずニヤニヤしながら読める作品です。
ややチョロイ感もありますが、主人公と仲良くなっていく流れは結構丁寧ですし。
主人公は特に際立った個性がないですが、こういうファンタジー要素皆無な作品なら問題なし。
不満があるとすれば、挿絵がどれも同じようなアングル&構図なことですかね。
文章にマッチした可愛いデザインの絵であるだけに、もう少しバリエーションが欲しいところ。
次巻があるのなら、ゲームチームの他メンバーの登場がありえそうですが…