恋愛恐怖症の僕のまわりに、恋人候補しかいないんですけど!   天草白(一迅社文庫)



恋愛恐怖症な主人公がヒロインたちに迫られまくる話。
基本的にはこれだけの物語です。シリアス要素も主人公がトラウマを抱えてるくらい。
大筋は、主人公がヒロインたちとの交流の中でトラウマを克服していく流れなのですが…
あくまでドタバタラブコメ展開がメインなので、微妙にチグハグ感が出てる印象。
勢いで押す作風なのに、わざわざ水を差すような描写が多いというか。
なんか無理矢理シリアスを作ってる感が否めないんですよね。

主人公は突如三人の少女たちから求愛されることになってしまった少年。
中学時代に手酷い失恋経験をしており、そのことから恋愛恐怖症になってしまっている。
普段は絵に描いたような平凡な少年であり、勉強もスポーツもルックスも並程度。
また、お人よしかつおとなしい性格であり、押しに弱い。
過去のこともあり、近寄ってくる女性に警戒心を抱く傾向こそあるも、女嫌いというわけではなく
普通に女体への興味はあるし、自分から優しくしたりする分には問題はない模様。

ヒロインは許婚なお嬢様、オカルティックな先輩、科学少女な後輩、風紀の鬼な同級生。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はD。
ヒロインの個性あるキャラ付けや、主人公の行動原理の設定はいいと思います。
ただ、それ以外の部分が明らかに空回りしてるようにしか見えないのが残念。
ヒロインが主人公に執着する理由付けが薄っぺらすぎて、悪い意味でのチョロインになっていますし。
直感で好きになれそうと思ったとか、占いでそう出てたからとか、機械の判断で相性最高だったからとか。
好感度が最初から高い理由にはなっても、ほぼ初対面の相手にいきなりガチ惚れ状態にまでなるのはなぁ。
だから彼女らの一生懸命さは伝わってくるのに、同時に「なんでそこまで…?」としか思えないわけで。
一巻の時点では主人公はトラウマを克服したわけではないので、続きが出る余地はあると思うのですが…
もし続きが出るならヒロインたちの掘り下げをきちんとやって欲しいですね。