さくらソナタ 箕崎准(一迅社文庫)
女の子だらけの寮に住むことになった主人公が夢を追う少女たちと交流して成長していく物語。
漫画「ラブひな」を思わせる王道の学園&寮生活ものといった感じでしょうか。
主人公たちが通う学園が芸術学院ということで、方向性もわかりやすいですね。
何気にラッキースケベイベントも多めで、安定感もあり、抑えるべきところを抑えている作品といったところ。
ただ、パンチがやや弱めというか、強烈なアピールポイントがないのが難点でしょうか。
主人公は女だらけの寮で新生活を始めることになった高校一年生の少年。
普通に自意識過剰でスケベでへたれで異性に興味があって、ソロプレイ(笑)もする。
と、良くも悪くも普通の「年頃の少年」といったキャラですね。
ラノベ的というよりは、リアル的に普通な感じでしょうか。
ただ、優れた才能を持つ者しか入寮できない寮に、普通科でありながら入寮できているあたり
何らかの(恐らくは文芸)才能がある模様。
ヒロインは美少女イラスト描きな同級生、アイドルな先輩。
それと、ソフトボール部のエース、プロ作家な先輩、生徒会副会長がヒロイン昇格候補でしょうか。
一番のお気に入りはファーストコンタクトがお風呂場な同級生、桜木そなた。
清楚な外見と、天才と評されるほどの絵画の才能からファンが多い。
また、実家が名家であり、厳格な家柄であるため、いわゆる箱入りのお嬢様だったりする。
しかし当の本人は美少女イラストを描くのが好きであり、将来はそちらの道へ進むために
家を出ての寮生活を選び、在学中に夢への資金や実力を得ようと目論んだりと中々強か。
しかし実生活ではやはり世間知らずな面も見られ、素直すぎたり無防備すぎたり意外に大胆だったり
また、片づけが苦手といったどこか危うい一面を見せることも。
現時点(一巻)においての評価はC。
雰囲気が良く、キャラの作りが王道なため、安心して読み進めることができます。
ただ、同時に王道の悪い部分もしっかり出てしまっている感じ。
この手の女の中に男一人ものでは絶対にいる「主人公を敵視するヒロイン」がそれですね。
状況的に考えればある程度は仕方ないですが、終盤までの主人公への仕打ちはぶっちゃけ苛めレベル。
私は不快感を覚えましたし、そこを許容できるかが評価の分かれ目でしょうか。
メインヒロインの桜木そなたは非の打ち所のない良質ヒロインなのは好材料なのですが…
今後は寮生それぞれにスポットライトを当てていく形式になるのかな?