オレを二つ名で呼ばないで! 逢上央士(このライトノベルがすごい!文庫)
不本意な二つ名をどうにかするために奮闘する主人公の、学園異能バトルコメディ。
この話のメイン部分を担う「二つ名システム」が正に発想の勝利である作品ですね。
能力から二つ名が名付けられるのではなく、二つ名を先に決めてそこから能力が発現する。
結果的には同じことでも、過程が違うのでそれぞれの悲喜交々が楽しめます。
また、異能バトルでよくある、デフォルトでの身体能力強化がないのも好印象。
あくまで能力を如何にして扱うかに焦点があてられているので、力押しバトルがほとんどないですし。
主人公は屈辱的な二つ名をつけられてしまった高校一年生の少年。
トラブルやバトルにおいては熱血に見えて意外に頭脳派&要領の良い器用貧乏タイプ
また、この手の作品の主人公にしては珍しく、勢いで行動せず、挑発にも乗らず、冷静で機転が利く。
社交的かつ物怖じしない性格で、相手を問わずに屈託なく接することができるなど、人間ができているところも。
あと、サラッと人を褒めるのが上手く、それがお世辞ではなく正直な言葉だったりするので
上記と合わせて、女子の場合は相手をドキマギさせることもあり、ぶっちゃけ天然タラシ。
基本的に面倒くさがりだが、同時に面倒見がよいため、自分の事以外では結構積極的に動く。
二つ名は現在「噛ませ犬(エンハンサー)」「幼刀九児狗(ロリコーン)」の二つ。これは泣いていい。
ヒロインは感性が残念な幼馴染、ロリ容姿な生徒会長の妹、真面目な剣術少女、無表情なボクっ娘。
姉思いなクラスメイト、お調子者なお喋り娘、元気姉と控えめ妹。
後は思わせぶりな他校生徒会長や人気アイドルもヒロイン昇格候補っぽい。
一番のお気に入りは絢爛業火(ダズリング・インフェルノ)の二つ名を持つ、天道美美。
小学生並の体躯と、部屋に飾っておきたくなるような人形めいた可愛らしい容姿から男女問わず人気がある。
ただし本人は自身の幼い外見をかなり気にしている模様。
ですの&ですわのいわゆるお嬢様口調であり、やや子供っぽいところもあるものの、物腰は常に上品。
兄の知名度と、自身の美貌からなかなか人が寄ってこなかったためぼっちの期間が長く、寂しがりや。
現時点(五巻)においての評価はA。
学園異能バトルものは結構見かけますが、この作品は独特の雰囲気があっていいですね。
国の陰謀とか悪の組織とか、そういう壮大なシリアスが(今のところ)ないのでスッキリとテンポよく読めます。
主人公も社交的で頭が回り、ヘタレ要素があまりないので安心して見ていられますし。
しかし一応現代日本の世界観なのに、普通にハーレム邁進状態なのが凄い。嬉しいですけどw