アイドル≒ヴァンパイア 上月司(電撃文庫)
トップアイドルを目指す吸血鬼のお姫様に協力する羽目になった主人公のドタバタラブコメ。
吸血鬼とアイドルという人気要素を融合させるという新基軸。
といえば斬新に聞こえなくもないのですが、実際はそれほど目新しさはないですね。
内容そのものは王道というか、ソツがない構成になっていますし、読みやすさはバッチリだと思います。
ただ、主人公とメインヒロインの関係が「自己中で、主人公を下僕扱いする」「不満を抱きつつそれを受け入れる」
という個人的に苦手なパターンになっているところが懸念でしょうか。
今のところは両キャラの性格と方向性が上手いこと不快感を中和している感じですが。
主人公はある日突然吸血鬼のお姫様のアイドル道を助けることになってしまった少年。
ややぶっきらぼうで、負けん気が強く短気で怒りやすい性格。
しかも目つきが悪く、ボサボサ髪だったりとガラの悪さを感じさせる風貌であるため誤解されがちだが
実は面倒見が良く、苦労性な気質の持ち主であり、年頃の少年らしい色恋への興味もある。
子供の頃から剣術や組み手を習っており、その戦闘力はかなりもの。
また、風を操る異能力持ちだが、コントロールができておらず、感情が昂ぶると周囲で風が吹き荒れる。
ヒロインはアイドル志望の吸血姫、騎士なメイド、超ブラコンな元アイドル妹、人気者なクラスメイト。
二巻にて、婚約者でアイドルな幼馴染が参入。
一番のお気に入りはやや長身な美少女クラスメイト、白和泉響。
穏和で優しそうな顔立ちをしており、実際外見通りに誰にでも優しく、純情で女の子らしい性格。
しかも、顔もスタイル(学校屈指の巨乳)も抜群であり、所属している新体操部での成績も良好。
と、非の打ち所のない女の子であり、当然のように男子からの人気が高い。
現時点(二巻)においての評価はC。
題材こそ意表をついているものの、中身は良くも悪くも第一印象を越えない感じでしょうか。
二つの要素が相乗効果を出しているならまだいいんですが、足し算にしかなってない印象。
決してつまらないわけではないんですが、組み合わせるメリットが見えないというか。
ていうか、明らかにバトル向きのキャラ設定になっていますが、この作品にバトルはいりません。
そういう意味ではバトル要素が消えた二巻は一巻より面白かったですね。