原作都合で消される強キャラに転生した俺、破滅エンドを回避して
自由気ままに世界を蹂躙する
                      十利ハレ(オーバーラップ文庫)



圧倒的な力でゲーム世界を蹂躙するダークファンタジーストーリー。
大枠としては異世界(ゲーム世界)転生ものですね。転生先は毎度おなじみの序盤で必ず死ぬ悪役。
この手の設定は一見ハードモードに見えて、原作知識があるなら結構なんとかなるもの。
しかも憑依先の肉体は素質ありなことが多いですし、きちんと対策を練れば……とはいかないのが本作。
何故なら、原作知識と最強スペックも持ち合わせていても、転生したタイミングがかなり最悪だから。
なにせ原作での死亡日の十日前、しかも死因が原作でも明確になっていないため確実な対策が取れない。
これで破滅エンドを回避しろというのだから主人公の苦労は推して知るべしである。
まあ、だからこそ推しを救うために全力な彼の姿が映えるのですが。
ラブコメ面はメインヒロインのティアナディアと実質的に相思相愛ですが、さて。

主人公は難病に苦しみ意識を失った後、チュートリアルで必ず死ぬからと運営の悪ふざけで
ぶっ壊れ最強スペックを持つVRMMORPGゲームの悪役・ベリウスに転生してしまった少年。
転生してからはベリウスらしくクールで冷徹、尊大に振る舞っているが、素が出ることも多い。
前世では病気のせいでほとんどの人生をベッドの上で過ごしており、誰にも必要とされていなかった。
それゆえに心が動くのは推しであるティアナディアに関することだけであり
行動原理でもある彼女のためであるならば他者を利用することや殺戮を働くことすら厭わない。

ヒロインは愛深きメイド。サブに狂信の妖狐、腹ペコ魔獣人、寂しがり屋な吸血鬼なども。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
自分の死を免れることよりも、闇落ちしてラスボス化し討伐されてしまう推しを救うために!
という、文字通りの命がけで奮闘を続ける主人公が格好良い。
メインヒロインのティアナディアも少々重すぎる感がありますが、原作からして闇落ちラスボス化するわけですし
本編中で明かされる驚愕の事実を考えればそりゃ激重感情を抱いちゃうわな、と納得するしかない。
一方で、原作において、最強スペック持ちのベリウスが序盤という早い段階で何故死んでしまったのか?
というもっともすぎる謎を切欠に次々と真実が明かされていく展開にもワクワクします。
本筋は死の運命を覆し、破滅エンドを回避することに成功した主人公。
しかしそれを世界の歪みとして観測し、取り除かんとする超常存在がいて…?