悪役家族   大黒尚人(富士見ファンタジア文庫)



平穏な日常を送ろうと奮闘する「偽りの親子」がおくる、悪役×ホーム×アクションストーリー。
大枠としてはホームコメディですね。まあ、一家を構成する面々が全員悪の秘密結社出身ということで
全員物騒な背景や力を持っているため、当然のことながら平穏な日常に完全適応とはいきません。
殺伐とした世界に身を置いていた人間が突如平穏平和な世界で暮らすことに!? 系の物語では
感覚の切り替えが上手くいかず、ドタバタなトラブル続出というのはお約束ではあるんですけどね。
特に、本作の場合は主要キャラが全員悪の組織出身なので過去関係のしがらみもあるわけですし。
ラストは組織再興のために娘・アルフを攫った元仲間たちを撃破し、家族たちは再び幸せな生活へエンド。
ラブコメ的にはメインヒロインの上村レナが名実ともに妻。

主人公は悪の秘密結社「ノア」の元・A級戦闘士である青年。コードネームは「銘無き大剣(クレイモア)」。
ノアが壊滅する前は最高幹部であるレナの護衛を務めていた。
ギリシャ彫刻のような均整の取れた長身に彫りの深い精悍な顔と、外見は全く以て堅気には見えない。
上村家では妻であるレナが働いているため専業主夫をしており、料理をはじめとした家事全般をこなす。
無骨な性格で言動もぶっきらぼうだが、性根は真っすぐであり、人情も備えている。
その一方で、視野が狭いというか、思い立ったら一直線で自分のことをおざなりにしがちなところも。

ヒロインは怜悧な元最高幹部、天真爛漫な元究極生体兵器。
一番のお気に入りは悪の秘密結社「ノア」の元・最高幹部、上村(旧姓隅洲)レナ。
ポニーテールのロングヘアに、眼鏡越しの怜悧な眼差しが印象的な美人。
真面目で理知的な性格をしており、口調も丁寧だが、怒ると怖い。
勤務先は先端技術監理局の特殊災害対策本部で役職は管理官。いわゆるキャリア公務員。

現時点(一巻)においての評価はC。
初見では漫画「S〇Y×FAM〇LY」を思わせる設定が目を惹きますが、内容は別物です。
暗い背景を抱えた他人同士が家族に、という突飛な出だしからのホームドラマな部分は同じですが
こちらはあくまで普通の家族として平和に暮らすことが目的となっていますしね。
作中では一応バトル要素も用意されていますが、殺伐さはないので読み味もあっさり風味。
キャラに関しては、脳筋気味ながらも懸命にお父さんをやっている主人公にほっこり。
その分母親役のレナが苦労していますが、惚れた弱みもあるようなのでニヤニヤできて良し!
本筋はタイトルの響きほどには物騒さはなく、ドタバタファミリーコメディを存分に楽しめた印象。
過去ともしっかりと決着をつけ、家族の絆を見せての完結と綺麗に一巻完結していましたし。
一応、続きを出そうと思えば出せそうな感じではありますが…