無限治癒の狂戦士 WING(富士見ファンタジア文庫)
世界の頂点を目指す転生者の少年が、狂戦士でありながら回復魔法を極めて世界最強へと至るまでの物語。
大枠としては異世界転生ものですね。転生先の異世界が剣と魔法のファンタジー世界であった場合
生きていくうえで何かと戦うことは避けられず、そうなると当然必要となるのは戦闘力。
その上で転生者であるならば、前世での知識や経験を活かして強さを得ていくというのがお約束ですが…
本作主人公が目をつけたのはまさかの回復魔法。まあ、理屈としてはわかりやすいですね。
あらゆる攻撃から即座に回復し、戦い続ける不死身の狂戦士。そんな存在が成立するならそりゃ最強ですし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。メインヒロインのイリスとはお互い憎からずといったところですが…
主人公は幼少期に訓練中の事故で前世の記憶を取り戻し、異世界の知識を得た辺境伯家の末息子。
蔑まれている回復魔法に着目し、誰にも理解されない中で独自の戦闘スタイルを確立することに。
前世のような孤独と退屈はもう二度とごめんと考えたがゆえに、現世では自分という存在を世界に刻むため
誰よりも強く、鮮烈に生きようとしており、戦いの中にしか「本当の自分」を見つけられないと確信している。
周囲から蔑まれても、死にそうな目に何度あったとしても信念を曲げず、諦めない精神の強さの持ち主。
基本的に戦うこと、強くなることにしか興味はないが、異性への興味や他者への優しさがないわけではない。
ヒロインは努力家な王女、心優しき治癒師。サブに大賢者な師匠、自由奔放なブラコン姉、高飛車な同級生など。
一番のお気に入りは回復職ゆえに冷遇されている治癒師な同級生、リリア・ノルウェン。
碧い瞳、襟足だけが長く伸ばされているベージュのボブカット、華奢な身体の小柄美少女。
気弱ながらも芯が強く前向きな努力家で、主人公との出会いを切欠に「自分も強くなりたい」と思うようになった。
現時点(一巻)においての評価はC。
死なない狂戦士。言うは易しですが、掲げた看板通りの存在に成るまでのハードルが高すぎである。
あらゆるダメージも一瞬で再生させるほどの回復魔法の会得という時点で困難極まりなく
それをなしえることができたとしても、戦闘時に攻撃を受けた際の痛み自体はなくなるわけではないですし。
まあ、本作主人公はそんな「考えついたとしても誰もやらないしそもそもできない」発想に全振りして
努力の果てに見事成し遂げてしまうという狂人っぷりを見せつけてくれるわけですが。
それでも忌避感を覚えるどころか、むしろ格好いい! と感嘆してしまうのは男の性ですねもう。
そんな彼の姿に魅せられ、仲を深めていくヒロインたちも可愛らしさと強さを兼ね備えていてグッド。
本筋は代表選抜戦で見事に優勝し、頂上決戦である王国戦技大会への出場権をゲットした主人公。