美少女勇者たちを命がけで守ったら、過保護すぎるハーレムができてしまった。
木嶋隆太(富士見ファンタジア文庫)
忠誠と好意が行き過ぎた過保護なハーレムファンタジーストーリー。
大枠としては異世界召喚ものですね。少し変わっているのは召喚された理由が勇者としての役割を期待されて
ではなく、現地の勇者が使命を果たす目的地までの旅路を支え、導くためのものであるということ。
ぶっちゃけそれなら現地人だけでやれよ、と言いたくなりますがそこは重要ではないのでスルー。
まあ、そもそも救世の旅路自体は一巻で終わりますし、物語の本番は旅が終わってから、どころか
主人公が異世界から帰還してからですからね。そういう意味では一巻の内容はプロローグでしかなく
そりゃ過保護になるわな、と納得するしかない激重感情をヒロインたち持たせるための下準備なわけで…
ラブコメ面は四人のヒロインに激重な恋心を抱かれることになってしまった主人公。
主人公は事故を機に、異世界に勇者の導き手として召喚された高校一年生の少年。
元の世界ではまだ小学校にも上がらない頃に両親を事故で亡くしており、その後は施設で育った。
冷静沈着な性格だが、ユーモアで皮肉屋な部分がある。ただ、親しい人のために命を賭けられるところも。
どちらかといえばコミュニケーションは苦手で、自分から話しかけることは少ない。
長いものには巻かれろ理論で流されるままずっと生きてきたこともあり、適応力に優れている。
ヒロインはプライドが高いエルフ、温和なドラゴニュート、努力家なサイボーグ、気さくなお嬢様。
一番のお気に入りは主人公のバイト先のコンビニによくやってくるお嬢様、橘柚葉。
喜怒哀楽がハッキリしている明るく気さくな性格で、人と自然に話せるタイプ。
名家の人間として、幼い頃から厳しいルールに縛られて育てられてきた。
家の目を盗んで一人で街に出かけた時、ナンパされているところを主人公に助けられたのが二人の出会い。
それが切欠となって彼に好意を抱くが、気が付けば彼に関するありとあらゆることを調べてしまったりと
その気持ちはかなり重く、ある日事故から庇われたことで執着が決定的なものになった。
現時点(一巻)においての評価はC。
元の世界でも異世界でも激重感情持ちのヒロインを生み出している主人公が罪な男すぎる。
いや、ぶっちゃけ彼自身は何も悪くないというか、むしろ褒められることしかやっていないのですけども。
どっちの世界でも命がけでヒロインを救っていますし。更にそれ自体は恋する乙女心へのトドメでしかなく
それ以前の段階でもうヒロインたちの心を救い、しっかりとデレさせていますし。
おかげで一巻ラストで主人公は元の世界に帰還していますが、異世界側のヒロインが悲惨なことに…
多分世界間を行き来できるようになるか、異世界ヒロインズが世界を越えてやってくるのでしょうが。