異世界転生ダンジョンマスター温泉ダンジョンを作る 天原(富士見ファンタジア文庫)
現代人の発想で「そんなのアリ!?」なダンジョン経営ストーリー。
大枠としては異世界転生&ダンジョンものですね。ただし、ダンジョンについては冒険者として攻略する
というわけではなく、経営する側。として、つまりは主人公がダンジョンマスターとして奮闘する話になっています。
更に本作が特徴的なのは、ダンジョン経営の手法として貴重な宝物や有用なモンスター、トラップを駆使する
などといった定番を重要視するのではなく、温泉という変化球を目玉にしている点ですね。
こうなってくるとダンジョンではなくリゾート開発に近いですが、客寄せという意味では相違ないわけで。
温泉に使ったリソースとは関係なくモンスターは勝手にわくので一応ダンジョンらしく死傷者も出ますし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。というか外部の人間と接触しないから交流すらないわけで…
主人公は現代日本から異世界に転生してダンジョンマスターを任された男。
契約により、生前に病院のベッドの上で妄想していた温泉ダンジョン作りに乗り出すことに。
ダンジョンマスターという生物になってしまったがゆえに、人の心はある程度残っているが
人間だった時とは比べものにならないくらいに人の死や不幸に対して心が動かなくなってしまっている。
同様に三大欲求も必要なくなっているが、機能が無くなっているわけではない。
ヒロイン(レギュラー)は相方なダンジョンコア、苦労人な女騎士、聡明な公爵令嬢、美容に目がない女王。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
温泉ダンジョンいう一発ネタを奇抜さを損なわないまま膨らませて見事に長編に仕上げている作品。
イラストにしても、温泉という肌色率高めな題材の割にはエロさを感じないものの、作風にはマッチしているかと。
キャラに関しては、己の欲望を多分に含みつつも、それをしっかりと成功へと繋げる主人公が頼もしい。
ダンジョンにやってくる面々も愉快なキャラ揃いですし、読書中はずっとワクワクニヤニヤが止まりません。
本筋は拡張を繰り返していった結果、温泉ダンジョンは全世界規模の注目を集めることとなり…?