努力家な転生第六王子 純jクロン(富士見ファンタジア文庫)
前世凡人、それでも努力の果てに最強と化した第六王子の無自覚最強無双物語。
大枠としては異世界転生ものですね。チートはないとのことですが、ぶっちゃけ成長チートではあります。
まあ、赤ん坊のころから意識的かつ必死に努力をしていればそりゃ強くなりますわな。
努力を無駄なく血肉に変えられるだけの肉体的素養があるのも才能と言えば才能ですし、運もある。
更には、現世の両親やメイドといった周囲の人間にも愛され、指導をしてくれるのは伝説の英霊。
将来美人確定な婚約者もでき、周囲には嫉妬や恐怖を感じさせず、むしろ良い影響を与えまくり。
と、恵まれっぷりが半端ないためフラストレーションを感じずサクサク読み進めることができます。
ラブコメ面は七歳時点で婚約者(正妻予定)ができるも、側室を二人は作らないといけない模様。
主人公はレールアイン王国の第六王子ベルティアとして転生した天涯孤独で無職の三十路男。
前世では何の才能もなく、努力もせず、引きこもってばかりだったことを死ぬ前に後悔。
それゆえに、転生を機にもう後悔しない人生を歩もうと決意し、常に努力をし続けることに。
温厚な性格だが、誰にも知られずに死んだがゆえに認知されることに拘っていて承認欲求が強い。
転生前の知識や経験があるので多才だが、センスが壊滅的なためダンスは苦手。
ヒロインは聡明な隣国姫。サブに負けず嫌いな天才魔法使い、可愛いもの好きなメイド。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
この主人公って、子供の時から誰も教えていないはずの魔法を使ったり、年齢不相応に賢かったりと
客観的にはかなり怪しいはずなのですが、そのあたりを全部可愛いで済ましているのはいいのだろうか?
いやまあ主人公自身はコツコツ努力を重ねているだけなので、迫害展開はノーサンキューなのですけども。
それにしたって話が主人公に都合よく回り過ぎている気がしますが、そこは気にしない方向で。
現世では後悔しない人生を、と懸命な彼が報われてほしいのは確かなわけですし。
ただ、母親とメイドの溺愛っぷりは流石にやりすぎというか、父親が不憫である。
というか七人いるはずの兄姉の存在感が皆無なんですが、どこで何をしているのだろうか…?
本筋はドラゴンを従える悪しき魔法使いを倒し、婚約者を救うという偉業を成し遂げた主人公。
そんな彼に注目した世界屈指の魔法学園から入学のお誘いが来て…?