頭脳と異能に筋肉で勝利するデスゲーム   もちもち物質(オーバーラップ文庫)



最強のバカ力で、デスゲームをぶち壊せ! 悪魔すら予測不能の最強デスゲーム譚。
大枠としてはデスゲームものですね。目を覚ますと、毒が仕込まれた首輪で壁に繋がれていた。
そんなお約束通りの始まりでありながら、知恵と勇気、仲間との絆で悪辣なゲームをクリアするのではなく
いきなり絶対の枷であるはずの首輪を軽々と引きちぎり、ロックされた扉をタックルでぶち破るという
タイトル通り、筋肉というパワーで頭脳も異能も凌駕し、デスゲームを破壊していく理不尽さが実に痛快。
とはいえ、規格外の筋肉の持ち主である主人公は一人しかいませんし、彼自身はただのバカなので
犠牲者は出てしまいますし、仲間の力や頭脳が頼りになる場面もちゃんとあるのですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。

主人公は悪魔が主催するデスゲームの参加者の一人として選ばれてしまった最強の男。
バカだが善良の塊のような性格で、皆の役に立ちたい、皆幸せになれるといい、と本気で思っている。
思ったことをそのまま口にするタイプであり、自分がバカだと自覚しているため
アドバイスは素直に聞くが、ここぞというところで人の話を聞かないところも。
また、落ち着きがなく、状況に関わらず大人しくジッとしていられない。
好きな食べ物は三二ストップのソフトクリームとみんなで食べるごはん。座右の銘は安全第一。

ヒロイン(レギュラー)は猫っぽいクール娘、大人しいお姉さん、勝気なお姉さん。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
タイトルからしてギャグに全振りな理不尽コメディになるのかと思いきや、普通にデスゲームしてます。
勿論筋肉が無双するシーン満載ではあるのですが、それだけではどうにもならない部分をしっかり提示することで
デスゲームをちゃんと成立させ、仲間たちをただの驚き役で終わらせていないのが上手く、面白い作品かと。
まあ、それでも主人公の筋肉が強すぎて、デスが消えたただのゲームになってる感はありますが。
キャラに関しては、なんといっても理不尽なまでに筋肉最強な主人公がインパクト抜群。
バカという弱点こそあれど、そのバカさゆえの明るさはどんな時も暗さを吹き飛ばしてくれますしね。
本筋は参加者の何人かと親しくなり、彼らも背景も徐々に判明してくるも犠牲者は出る一方。
そんな中、主人公はやり直しの異能を使って三度目のデスゲームへ。