捨てられ社畜、古代の宇宙戦艦を手に入れたので
自由気ままな傭兵に転職、無双する!
   吉武止少(モンスター文庫)



先史文明時代の古代戦艦に拾われ、九死に一生を得て傭兵となった男の宇宙無双ファンタジーストーリー。
大枠としてはスペースオペラですね。広大な宇宙を舞台に、偶然手に入れた宇宙戦艦で無双!
という、ご都合主義満載ながらもスピード感と爽快感に溢れている物語が楽しめます。
序盤こそ主人公は悲惨な境遇に置かれていますが、すぐに脱出して成り上がり街道まっしぐらとなるため
フラストレーションがたまることはないかと。対峙することになる敵も救いようがない悪党ばかりなので
戦闘シーンで主人公サイドが圧倒して完膚なきまでぶちのめしても痛快でしかないですしね。
ラブコメ面は今のところ進展なし。美少女クルーたちに囲まれた羨まけしからん環境ではあるのですが…

主人公は星間輸送の会社で働いていたところ、宇宙海賊に襲われ、身代金を払えない社長にクビにされると
海賊に面白半分でブラックホールに向けて射出されてしまうも、先史文明時代の古代戦艦に拾われ
九死に一生を得ることに成功。その後古代戦艦の艦長となり傭兵稼業へと転職した二十歳の青年。
ブラック企業勤めだったため、自分を押し殺してただひたすら我慢の人生を送ってきた。
それゆえに艦長となってからは誰にも気を遣わず、顔色を窺わない自由気ままな生き方をすることに。
両親が死んだ時、助けてくれる人がいなかったからこそ、自分は子供が独りきりで困っていたら
手を差し伸べられる大人でありたいと思っていたりと性根は善性。ただし宇宙海賊は絶許。

ヒロインは忠厚きAI、純真無垢な自動人形、クールな結晶人。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
作中で主人公が海賊狩りを趣味にしている感がありますが、さもありなん。
読者視点だと序盤でサラッと描写された程度のことですが、彼からすれば恨み骨髄でしょうからね。
まあ、それが長じて死神とまで呼ばれることになるのは苦笑せざるをえませんが。
とはいえ、海賊が消えれば宙域は平和に、主人公は名声と金が手に入りストレスも解消される。
悪以外は損していませんから問題なしということで。人死は出まくってますが大体自業自得ですし。
本筋は現行人類を駆逐し、古代帝国の復権をなさんとする秘密結社の一員を撃破。
敵は強大なれど、ひとまずは温泉を求めて次の目的地へ。