義妹なら本気になってもいいよね? 手島史詞(HJ文庫)
恋人よりも甘い義妹との家庭内ラブコメストーリー。
ずっと実の妹だと思っていた女の子が、実は血の繋がっていない義妹だった。
ラブコメの設定としては珍しくなく、しかしラノベではあまり見かけない設定が特徴の妹ヒロインもの。
更に本作では序盤メインヒロインである義妹・悠凛が記憶喪失になるという要素も加わっており
これによって、主人公のことを嫌っているような態度の裏に隠れていた恋慕の情が表に出てくるという
わかりやすく、しかし面白い形でのツンからのデレっぷりが楽しめます。
ラブコメ面はメインヒロインにして義妹の悠凛のアプローチに主人公はタジタジで…?
主人公は妹の悠凛を大切に思い、記憶喪失になった彼女の日常生活をサポートする高校二年生の少年。
良く言えば温厚で落ち着きがあり心優しい、悪く言えば気弱で自分のことをおざなりにしがちな性格。
また、人付き合いが上手いほうではないため、交友範囲が狭い。
中学生の頃から変わらない身長(百六十センチちょっと)と顔立ち(童顔)がコンプレックス。
家では週に一、二回ほどのペースで晩御飯を作っており、料理の腕前はそれなり以上。
色恋には普通に興味があるが、十六年間ろくに男子以外と口を利く機会がなかった。
ヒロインは義妹。サブにゆるふわギャルや眼鏡委員長なども。
一番のお気に入りは実は義兄妹であることが明かされた夜、交通事故にあい主人公に関する記憶を失い
その結果、実は秘めていた彼への想いがあふれ出すようになってしまった義妹、虚木悠凜。
青みがかっている瞳に、左右に黒いリボンが結ばれている絹糸のような繊細な長い銀髪が目を惹く美少女。
中三の春までは胸はぺったんこな部類だったが、秋ごろから急に大きくなり始め、今ではかなり大きめ。
家族を含め、誰に対しても敬語で喋るが、社交性は普通にあり、親しい相手には感情豊か。
男子が苦手で、兄以外の男には冷たい眼差し&身も凍るような声で拒絶的な態度をとりがち。
その一方で、ムッツリスケベで少しSなところも。
現時点(一巻)においての評価はC。
ラブコメにおける記憶喪失というのは、最終的に記憶が戻ることを前提にした一時的なトラブルに過ぎない。
そして、主人公とヒロインの仲を深めるためのスパイスでしかないというのがお約束ですが
本作の場合はメインストーリーにガッツリと食い込んでおり、それがあるこそ話が成り立っている。
という形になっているのが興味深く、上手い構成だなという印象ですね。
記憶喪失=好感度もリセットされる、という問題点に関しても、恋心は魂に刻み込まれているから問題なし!
むしろ枷がなくなった分、本気でグイグイ行けるよ! というストロングスタイルがグッド。
本筋は自分の気持ちを自覚した悠凛と、そんな彼女にドキドキさせられてしまう主人公ですが、さて。