処刑フラグの悪役貴族に転生したが、死にたくないので
闇魔法を極めてヒロインたちを救います
   青空あかな(HJ文庫)



死にたくないから努力したら最強になってしまった少年の学園無双ファンタジーストーリー。
大枠としては異世界(ゲーム世界)転生ものですね。転生先は毎度おなじみの悪役貴族。
原作においては暴虐な振る舞いが原因で処刑されて退場というバッドエンド確定の運命を背負っているため
当然のごとく主人公は破滅回避のために奮闘することになるわけですが…
他の作品でよくあるような原作ヒロインたちを避ける方向ではなく、優しく接するという積極関与方向で動き
また、彼女たちを助けるためにと攻撃魔法よりも回復魔法を優先しているのが珍しい。
とはいえ、戦闘関係を疎かにしているわけでもないので戦っても普通に強いのですが。
ラブコメ円は婚約者、メイド、王女と三人のヒロインと肉体関係を持った(持たされた)主人公ですが、さて。

主人公は病死した後、かつて散々やり込んだオンラインRPG「エイレーネの五大聖騎士」の世界において
暴虐な振舞いで処刑される悪役貴族ディアボロ・ヴィスコンティに転生してしまった少年。
元々のディアボロとは正反対の真面目で努力家な性格であり、良識と善良さを持ち合わせているが
押しに弱く、断罪フラグを恐れるあまり短絡的な行動をとってしまうこともしばしば。
転生前はずっと胸の病気に苦しんでいて、ろくに身体も動かせず、病室から出ることもできない。
学校に通うことはおろか、友達も一人もできない、苦しみしかない人生を送っていたがゆえに
二度目の人生は真人間として真っ当に生きたい、全力で楽しみたいと思っている。

ヒロインは愛が重い婚約者、愛が重いメイド、愛が重い王女。
サブ(昇格候補?)にドSな合法ロリ師匠、たくましき辺境伯令嬢、地味な男爵令嬢なども。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
ヒロインたちへの積極的関与以外には然程目新しい部分はなく、あとは努力を重ねたことによるチート化。
助けたヒロインに惚れられて溺愛されまくり、ゲス化して敵に回ったゲーム主人公。
と、悪役転生もののお約束展開のオンパレード&ワンパターンの連続ではありますが
それゆえに変な捻りや勿体付けがないため、常にストレスフリーであり、安定した読み味になっている印象。
キャラに関しては、主人公自身は良識があり真面目、努力家もであると好印象しかないのに
即落ちしたヒロインたちが皆肉食系ヤンデレになり、そのせいで彼が苦労しているのが面白酷いw
本筋は本来の役割が反転して悪役となったゲーム主人公の襲撃を退けることに成功した主人公。
しかし、魔王を復活させんとする悪の組織にゲーム主人公は攫われてしまい…?