最近雇った独占欲の強い美少女メイドが、実は王女様だった。 神月(GA文庫)
無自覚タラシなご主人様と、独占欲強めなメイド(王女様)の身分差ラブコメストーリー。
大枠としては中世ヨーロッパ風の異世界を舞台にした学園ラブコメものですね。
魔法や魔王、魔族といったバトル方面重視のストーリーになりそうな要素こそ存在していないものの
ほのぼの一辺倒というわけではなく、暗闘や女同士のギスギスがあったりと、物騒な展開も。
というか、メインヒロインである王女フェリシアーナとか自ら剣を取って暗殺とかやってますしね…
物語の中心にいるのは間違いないのに、知らぬのは主人公だけ、という構図が面白怖い。
ラブコメ面は自覚がないまま高貴な令嬢たちを虜にしていく主人公ですが、さて。
主人公は婚約者を見つけるために貴族学校へ通うことになった伯爵家の少年。
最近専属メイドとして雇った女の子が、実は第三王女であることには気づいていない。
素直で温厚な性格をしており、努力家で貴族としての責任感と向上心が強い。
軟弱そうに見えるが、格上の人間相手であっても言いたいことはハッキリと言える芯の強さと
自身を敵視する人間であっても仲良くしようとすることができる優しい心の持ち主。
争いごとが苦手で、戦略や戦術に関わる科目は不得意だが、剣術の腕前はかなりのもの。
ヒロインはメイドな第三王女、穏やかな公爵令嬢、落ち着きのある侍女。
一番のお気に入りは多方面でフェリシアーナ王女を影で支えている侍女、バイオレット。
紫色の髪に黒のメイド服、とても落ち着いた雰囲気の長身(胸も大きい)美少女。
良く言えば落ち着きがあり、悪く言えば不愛想で淡々とした態度が常で
恋愛感情も、誰かと幸せになりたいという願望もなく、主であるフェリシアーナの幸せのためだけに
生きていると頑なに考えており、その一環として主人公の前では明るく社交的な人格を演じている。
現時点(一巻)においての評価はC。
愛が重くて行動も過激なヒロインズと、彼女たちに愛される優しさと善性の塊である主人公。
という、ある意味勘違いものっぽい関係性が愉快で、そして冷静に考えるとヤバさが目立つ作品。
ぶっちゃけ主人公がお人よしすぎる感がありますが、まあフェリシアーナの正体に気が付かない時点で…
彼ってどう考えても貴族というか、上に立つ者としては良い人すぎて不安しかないのですが
覚悟ガン決まりなヒロイン陣が頼もしすぎるから、危うくはあってもバランス自体はとれていますしね。
本筋は主人公を巡って第三王女と公爵令嬢が火花を散らす中、第二王女も参戦の気配を見せて…?