テンプレに従わない異世界無双 さとう(GA文庫)
テンプレをやりたい放題覆して最強に! 掟破りの異世界無双ファンタジーストーリー。
大枠としては異世界召喚ものですね。原作主人公と一緒に異世界召喚されたざまぁキャラ(同名)として
読んでいたライトノベルの世界に召喚されたという設定なので、成り代わりものと言うのが正しいのかも?
特徴としては、最初の段階で本来のストーリー通りの進行をガン無視することを決意する点でしょうか。
自身の破滅回避は勿論ですが、原作主人公のことが好きじゃないから自分の好みのストーリーにするぜ!
という自己本位っぷりが一周回って清々しい。まあ、読者視点でも結構鬱陶しいですしね原作主人公…
いやまあ原作通りなら世界を救う英雄なのだから、別に悪人というわけではないですし
そういう意味では主人公の好悪だけでルートを捻じ曲げられ、追放された被害者ではあるのですけども。
ラブコメ面は今のところ進展なし。というか、王女様の覚悟をスルーした主人公が酷すぎるw
主人公は読んでいたラノベの序盤のやられ役として異世界に召喚されてしまった高校生の少年。
召喚前の世界では地方都市に住む貧乏でも裕福でもない普通の暮らしをしていた。
我が強く目的のためには手段を選ばない、邪魔であれば原作ヒロインでも問答無用で排除。
己のために他者を利用したり、こき使うことを躊躇しないなど、ムーブはかなり悪人寄りではあるものの
あえてざまあキャラを仲間にするなど、捻くれた善性も持ち合わせている。
ラノベを見ながら「こうすればいい」「俺だったらこうする」と思案する癖がある。
色恋には興味がないわけではないが、安易なハーレム展開は嫌い。
ヒロインは苦労人な王女。昇格候補に我儘な聖女や世間知らずな暗殺者なども。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
この手の悪役転生ものは、自分が破滅したくないからという自己保身が第一に来るのがお約束であり
悪に与するわけでもないから立ち位置自体は正義側であることがほとんど。
だからこそ、原作においてざまぁされるキャラを育成したり、原作では影が薄かった王女をこき使ったり
敵を真正面から打倒するのではなく、罠で嵌め殺したりと、自分の都合優先で悪人ムーブ臭の強い
タイトル通りのテンプレに従わない異世界無双っぷりが新鮮で愉快痛快。
いや、結果だけ見ればちゃんと救世主やってるので現地人視点だと普通に正義の勇者なんですけども。
本筋は魔族の重鎮である十二執政官のうち二人を撃破することに成功した主人公。
しかし、ラスボス化フラグは健在、独自のハーレムルートを進む原作主人公の存在など、不安要素も。