四天王最弱の自立計画   西湖三七三(GA文庫)



四天王最弱(実は最強)の主人公による、ダメダメ四天王たちの自立計画物語。
バトルものでよくある「ククク、奴は四天王の中でも最弱」と噛ませ扱いされてしまうポジションにいる主人公。
しかし実際のところは四天王最強(というかそもそも他の面子は戦ったことすらない)であり
実質的に一人で対人類戦線を支えているという苦労人であるため、ブラックな現状を打破するべく
他の四天王たちを自立させようと手を変え品を変え奮闘する、というコミカルな話になっています。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ヒロインたちは皆主人公に好意的ではあるようですが…

主人公は魔王城にやってくる敵をすべて一人で蹴散らしている四天王最弱の暗黒騎士。
なお、実際は四天王最強であり、他の三人にも戦ってほしいと思っている。
真面目で強い押しに弱く、他人に気を遣ってしまう性格。また、口ではなんだかんだと言っても
情に流されやすく面倒見がよいがゆえに、自分の楽のために幼馴染たちを破滅させることを望んでおらず
結果として物語開始時点では四天王のすべての仕事を一人で請け負う苦労人と化してしまっていた。
趣味は世界を旅することで、夢は伝説の秘境の地にたどり着くこと。

ヒロインは調子乗りな魔術王、人懐っこい魔獣大帝、人見知りな氷結魔女、世間知らずな天才剣士。
忠義過剰な副官、恋愛初心者な教皇、幼女魔王。
一番のお気に入りは主人公が旅の最中に出会った人間界の天才剣士、テレサ。
ひとつに束ねられた銀の長髪と、まるで星空を閉じ込めたような瞳を有する美少女。
人間の域を軽く超えた実力の持ち主だが、彼女を鍛えた師が一度も認める言葉をかけなかったがために
自分が弱いと勘違いした挙句、自分に自信がない、引っ込み思案の人見知りになってしまった。
純真無垢、生真面目で礼儀正しく優しい性格だが、田舎村から一度も出たことがないがゆえに世間知らず。
戦闘力以外の面でもハイスペックであり、料理の腕も一級品。
いつか世界のどこかにいるであろう、自分の本当の家族を見つけることが目標。

現時点(二巻)においての評価はC。
この話、ぶっちゃけ役立たずを四天王に置き続けている魔王が全部悪いのではなかろうか…?
いや、主人公以外の三人は戦闘経験なし&戦いたくないというだけで、素質自体は凄いですし
孤軍奮闘状態の主人公もなんだかんだで防衛成功し続けているのだから結果論では問題ないのですが。
キャラに関しては、愚痴をこぼしながらも結局は面倒見の良いお兄ちゃん気質な主人公が良き。
四天王ヒロインズも序盤こそ頼りになる相手に甘えっぱなしなだけの駄目女集団でしたが
窮地では大事に思う彼のために成長を見せたりと、幼馴染同士ならではの絆を見せてくれますしね。
本筋は最凶の暗黒騎士である主人公の姉という脅威を退けることに成功した主人公たち。