仮面の黒騎士。正体バレたのでもう学園でも無双する
楓原こうた(富士見ファンタジア文庫)
元・正体不明の黒騎士が学園で思うがままに無双する、ヒロイックファンタジーストーリー。
普段は落ちこぼれや無能として周囲から蔑まれているも、実は強い主人公が正体を隠してヒーロー活動。
というのは珍しくない設定ですが、物語開始時点でそれが大衆にバレてしまうのが斬新。
この手の秘密を知るのは身内やヒロインだけ、公になるのは終盤のクライマックスというのがお約束ですしね。
まあ、正体バレ自体は自業自得なので、降りかかってくる苦労に関しては頑張れとしか言えないのですが
ラブコメ面は自身にベタ惚れなメイドと同棲状態。更には王女にも惚れられて…?
主人公は実力を見せると面倒事が多くなるので。あえて無能を装い楽をしていた侯爵家の恥さらしな少年。
実は正体不明の最強の騎士「黒騎士」として窮地に陥った人々を助けていたが、ある日正体がバレてしまった。
スケベで軽薄、面倒くさがりな性格をしており、バカであるがゆえに嘘が付けないタイプ。
口では自分のためと言いつつ、困っている人な泣いている人、助けを求める人を見過ごせない。
自身のことをバカにされても平気だが、大事な人のこととなると途端に沸点が低くなりがち。
礼儀がないわけではないのだが、他人に畏まるのが苦手。
ヒロインはお転婆な王女、クーデレメイド。サブに快活な女護衛。
一番のお気に入りは主人公に仕える貴族令嬢なメイド、エレシア。
あどけなさが残りながらも美しい端麗な顔立ち、腰まで伸びる銀髪は若干ウェーブがかかっており
瞳は宝石と見紛うほどの済んだアメジスト色。そしてクビレのハッキリしている肢体を有する美少女。
かつて主人公に救われたことがあり、それが切欠で彼に初恋をし、当時魔法家系の神童と呼ばれるほどの
名声を得ていたにもかかわらず、何もかも投げ捨てて愛しの彼に仕えるメイドとなった。
普段は温厚でしっかり物事を考えられる理知的な性格だが、主人公に対しては甘えん坊でありヤキモチ焼き。
好きな男の子のために学んだ結果として、貴族令嬢でありながら一通り料理ができる。
現時点(一巻)においての評価はC。
自堕落に過ごしたいけど、困っている人を見過ごしたら寝覚めが悪いから正体隠して人助けします。
矛盾しているというか、ツンデレなだけじゃんと突っ込んだらそれまでな主人公のひねくれた優しさが光る作品。
男のツンデレはイライラして気持ち悪いだけですが、それがラブコメ方面以外ならばただの好漢である。
色々と間抜けな面も目立ちますが、完全無欠ではないほうが物語の主人公としては親しみがわきますしね。
普段は三枚目なのに、イザとなれば二枚目全開とかそりゃヒロインたちも胸キュン必至ですわな。
本筋は学園に入学早々、継承権争いに巻き込まれて第三王子を撃破するという大活躍をしてしまった主人公。