元聖騎士団、今は中級冒険者。 とーわ(ダッシュエックス文庫)
元聖騎士団の迷宮攻略ファンタジーストーリー。
大枠としては剣と魔法のファンタジー世界を舞台にしたダンジョン攻略ものですね。
といっても、全てのダンジョンを攻略したいとか、名誉やお金が欲しいとか、攻略しないと世界の危機が!
みたいな大目的はなく、日々の営みの中に迷宮攻略が組み込まれている日常ものというほうが正しいでしょうか。
そもそも主人公が迷宮に挑む主な理由からして「迷宮にある美味な食材を持ち帰ること」ですしね。
勿論、シリアスな事件も普通に起きますし、そういった状況においての彼の活躍は爽快なのですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。主人公に好意を抱いている女性は複数いるようですが…
主人公はかつて聖騎士団において次期団長と目されていながらも、一身上の都合で退団。
現在はごく普通の中級冒険者として振る舞いつつ暮らしている三十代半ばくらいの中年。
新しい食材に出会いたい、が大迷宮に潜る最も重要な理由。
落ち着きがあって気遣いができ、義侠心に厚い性格をしているが、色恋には鈍感。
ヒロインは竜人な元奴隷、ですわ口調な僧侶、凛々しき元教え子。
サブ(昇格候補)に人気者な受付嬢、獣人娘なシーフ、ハーフエルフな薬師なども。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
主人公の中で「食」が重要視されている作品なだけに、作中では食事シーンがしっかりと描かれていますが
使われている食材は現実に存在しないファンタジー系メインゆえに、飯テロ感はそこまで強くはない印象。
キャラに関しては、日々細々とした仕事で生計を立てている中年中級冒険者、という冴えない立ち位置のはずなのに
街の人々に慕われ、頼られているリア充っぷりを見せてくれる主人公が良い感じ。
この手の設定の主人公は周囲から馬鹿にされてばかりというパターンが多いので、ほっこりしますね。
まあ、年齢もあって、ヒロインたちが全員妹分や娘分にしかなっていないのがラブコメ的に難点ではありますが。
本筋は未確認の階層主出現による緊急依頼を無事に達成することに成功した主人公と仲間たち。
しかしその裏では因縁の特級パーティーが怪しげな動きを見せていて…?