天才美少女三姉妹は居候にだけちょろ可愛い。   秋月月日(GCN文庫)



凡人と天才たちが一つ屋根の下で送る、ちょろ可愛さMAXのドタバタハーレムラブコメストーリー。
大枠としては同居もののラブコメですね。家を失った主人公がヒロインの家に居候することになり
家事スキルを駆使して、生活力皆無なヒロインたちの好感度を稼いでいく、という王道パターンですな。
まあ、いきなり主人公の家が火事になるわ、自分の姉妹も住んでいる家に連絡なしで級友でしかない男を
連れこんで同居させようとするヒロインがいるわと導入からして少々無茶が過ぎる感はありますし
他にも設定が浅すぎて目につく点が多いですが、そこはもう世界観自体がちょろいのだと割り切るのが吉。
ラブコメ面は天才美少女三姉妹にフラグを立てまくる主人公ですが、さて。

主人公は突然の火事で家を失い、その後天王洲三姉妹の家に居候することになってしまった少年。
お節介で面倒見がよく、勤勉で気遣いができる性格をしており、コミュ力も高い。
また、自分ではモテないと思っているが、サラッと異性を褒める言葉を吐くことができるなど、割と女の敵。
その一方で、過去に母親に捨てられたことが原因で自己評価がやたらと低いところがある。
昔から不幸体質なところがあり、色んな不幸を乗り越えてきた結果として無駄に耐久値が高い。
一人暮らし+綺麗好き+特訓の成果もあり、家事全般が得意。勉強と運動はそこそこ。
素材は良く、おめかしをするとイケメンに化けるタイプ。

ヒロインは天才ピアニストな長女、天才ゲーマーな次女、天才陸上少女な三女。
一番のお気に入りはありとあらゆるジャンルのゲームで様々な功績を残す天才ゲーマーな同級生、天王洲二葉。
癖っ毛と眠たげな眼つき、そして豊満な胸部が特徴の美少女にして世界級の天才プロゲーマー。
授業中も休み時間も関係なく、常にゲームに勤しんでいるが学校の成績は学年一位。
学校ではいつも表情が変わらない鉄面皮で静かにしているため、周囲からは何を考えているのか分からない
ミステリアスな女の子と認識されているが、実際は人見知りで人と話すのが得意ではないだけだったりする。
特技は物覚えが良いこと、苦手なことは運動。
バニースーツや紐の水着など、変なコスチュームを多数所持している。

現時点(一巻)においての評価はC。
細かいことは気にするなと言わんばかりの明るさとノリのよさが古き良き時代のラブコメを想起させてくれる作品。
ラブコメとしてはどこかで見たような展開とイベントの詰め合わせであり、目新しさはありませんが
そこが逆に安定安心感を作り出し、挿絵の美麗さも相まってヒロインたちの魅力を引き立てている印象。
お約束な、そして作者がやりたかっただけだろ言いたくなるお色気シーンもあり、目の保養も申し分なし。
主人公も嫌なところや不快感のない、好かれても納得ができるキャラをしていますし、スラスラ読み進められます。
本筋は姉妹の尽力によって母親に捨てられた過去のトラウマを乗り越えることに成功した主人公。
しかしそんな彼に、三女の彩三がとんでもない爆弾を投下してきて…?