学年の二大美少女にフラれたのに、何故か懐かれたらしい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あおぞら（角川スニーカー文庫）



放課後もテスト勉強も文化祭も、三人一緒だから最高に楽しい。ほのぼのハーレム学園ラブコメストーリー。
大枠としては三角関係もののラブコメですね。と言ってもヒロイン同士の仲は良く、修羅場感はほぼ皆無ですし
作中では主人公を含めて三人一緒だからこそ、が強調されているので三角関係というにはやや語弊があるかも？
そもそも主人公からして二大美少女に対し立て続けに告白というとんでもない暴挙をかましていますし
当然のごとくそれを断ったヒロイン側も、その後彼に懐いてしまうという摩訶不思議展開。
そういう意味では三角関係というよりも、ほのぼのハーレムという形容のほうが正しいのでしょう、本作は。
ラブコメ面は未だ恋愛感情にまでは至らずも、二大美少女にどんどん懐かれていく主人公。

主人公は友達に煽られ、学年の二大美少女に立て続けに告白するも、フラれてしまった高校生の少年。
負けず嫌いでムキになりやすく、感情の浮き沈みが激しいお調子者だが気遣いはできるタイプ。
また、普段はヘタレながらイザという時に見せる行動力と勇気には目を見張るものも。
色恋に興味がないわけではないが「彼女が欲しい」よりも「友達と遊びたい」のほうが優先順位が高い。
厨二病を患っていた時期に色んな護身術や武術をかじっていたため、実は結構強く
自分以外の家族全員の料理の腕が壊滅的ということもあって、料理の腕前もかなりのもの。

ヒロインはマイペースな同級生、文武両道な同級生。
一番のお気に入りは主人公に告白されて断った二人の美少女のうちの一人、姫野芽衣。
黒曜石のような黒髪に、美しさの中に可憐さも同居している容姿を有している巨乳美少女。
若干世間知らずで天然なところがあるも、真面目で文武両道、誰にでも優しく健気、口調も穏やかで丁寧と
聖女のような性格であり、由緒正しき令嬢のような雰囲気を醸し出しているが、家は貧乏。
学校では凄まじい人気を誇っており、告白された回数の多さにも関わらず、女子達からも嫌われていないが
中学の頃は貧乏が原因で虐められていた。

現時点（一巻）においての評価はC。
面識もない女の子に告白（しかも二連続で）してフラれる、という至極当然な結末を迎えておきながら
そこから好感度を上げ、懐かれて両手に花状態に持っていく主人公が凄すぎる…
いや、行動力の鬼だったのは告白するまでで、それ以降は下心や作意は一切なしなんですけどね。
偶然ながら告白を切欠にして縁を作ったという構図になっているので、客観的にはやり手の色男である。
実際は彼に興味をもったヒロイン側がグイグイ迫るようになっただけなのですが。
というかヒロインの片割れである柚が強すぎる。振ったばかりの男と二人きりで遊ぼうとするとかｗ
本筋は文化祭を経て、三人が仲を深めていく中、二大美少女が主人公の家を訪問することに。