最強の悪役が往く   反面教師(電撃文庫)



異世界は力が全て。邪魔する奴は皆殺し! 最"凶"の悪役ファンタジーストーリー。
大枠としては異世界(ゲーム世界)転生ものですね。転生先は最早定番となった悪役貴族。
ただし、主人公自身は才能こそあれども原作では噛ませ犬や中ボスですらない、ただのモブ。
しかも、生まれた家は実力至上主義が掲げられており、身内同士の殺し合いも日常茶飯事という酷い環境。
そんな中で、生き残るために破滅フラグを回避するのではなく、悪役らしく実力でねじ伏せればよいのだ!
と清々しいまでの割り切った思考で二度目の人生を痛快に突き進む主人公の活躍に刮目すべし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。そもそも主人公に色恋をする気がないですしね…

主人公はVRMMORPG「モノクロの世界」に登場する悪役公爵家の末子に転生した少年。
前世では学生時代、毎日のように虐められていて、遂には耐え切れず引きこもり生活をしていた。
奪われ続ける人生であったがゆえに、現世では自分を変え、命をかけて戦うことを決めている。
実力至上主義な家族に影響を受けた結果、弱肉強食と選民意識の考えが強くなり
敵や邪魔者には容赦がなく、相手が女であっても平然と殴り肉壁にもするように。
強くなることが第一であるがゆえに、色恋に費やす時間はないと考えている。

ヒロインは食いしん坊なラスボス、ドMな皇女。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
この手の原作あり世界への転生は、何はともあれ強さを得るために原作知識を活かすのがお約束。
本作もその例に漏れませんが、主人公の知識活用は基本的には序盤だけ(ラスボスとの契約)で
あとは応用&ただひたすらに血反吐を吐くがごとくの修練の連続、というストイックさが目を惹きます。
敵には一切容赦がない点も爽快感があってよいですしね。ただ、全然悪役はやっていない気がしますが…
一方、そんな彼に脳を焼かれたヒロインたちは見た目こそ秀麗なれど中身は……なキャラばかりなので
そんな面子に囲まれることになる主人公はご愁傷様である。自業自得な気もしますが。
本筋は学院に陰謀によって召喚された原初の悪魔を倒すことに成功した主人公。
そんな彼に、公爵家令嬢から何故かお茶会のお誘いが来て…?