誰にも懐かない飛び級天才幼女が、俺にだけ甘えてくる理由   八神鏡(GA文庫)



天才故に孤独だった幼女と、どこにでもいる平凡な少年の物語。
飛び級してきた天才幼女がいる高校生活、という一風変わった状況から始まる学園青春物語ですね。
ただ、メインヒロインの星宮ひめはいくら頭脳が凄かろうともあくまで八歳でしかないですし
彼女に近づいて優しくする主人公もただのお人よしな善人なので下心は皆無とラブイチャ感は薄め。
タイトル通り、ひめが主人公にだけ見せる純粋無垢な可愛らしい甘えっぷりに萌えるべし。
ラブコメ面はメインヒロインの星宮ひめとお互いに好意を告白し、両想いに(恋人にはなっていない)。

主人公はお腹を空かせていた星宮ひめにお菓子を上げたことが切欠で彼女に懐かれた高校生の少年。
落ち着きがあり、素朴で飾らない性格、面倒見の良い聞き上手と、一緒にいて安らげるタイプ。
かなり温厚な気質の持ち主で、人生で一度として人に手を上げたことがない。
至って特徴のない平凡な人間であり、存在感が薄いせいか名前を覚えられにくかったりもするが
そんな自分を実は結構気に入っている。そのため、ファッションもシンプルなものが好き。
趣味はゲームで、夜更かししてしまうこともしばしばだが、プレイ自体は上手くない。
両親が共働きなこともあり、料理は全くダメだが、掃除や洗濯程度なら自分でこなせる。

ヒロインはしっかり者な天才幼女、ゆるふわな同級生。
一番のお気に入りは星宮ひめの実姉にして生徒会副会長を務めている同級生、星宮聖。
たれ目が印象的な、軽いウェーブのかかった栗色の髪の毛がよく似合っている学校一と名高い巨乳美少女。
気さくな性格をしており、いつもおっとりとした笑みを浮かべ、独特なゆるい空気を纏っているが
意外と頑固なところも。普段はかなり抜けているところがあり、相当なおバカ(覚えるのが苦手)。
運動神経は優秀だが、出不精で努力という言葉を嫌う面倒くさがりなため、持久力がない。
妹に比べてダメな自分を情けなく思っており、それゆえに彼女を不安にさせたくないといつも笑っている。
食べることが大好きで、実はかなりの大食らい。恋愛には疎いというか、興味がない。

現時点(二巻)においての評価はC。
幼女という気を遣わざるを得ない異分子が混じっているおかげか、学校ものには付きものである
陽キャ陰キャの区分け、対立、イジメといったスクールカースト要素は見えない優しい世界になっています。
メインヒロインであるひめにしても、飛び級をするような天才ではあっても精神面は年齢相応なので
変にませた言動をしたり、擦れた感覚を持っていたりするわけではない、普通の幼女ですしね。
実際、作中でも主人公への恋慕の自覚の有無に関係なく甘えていますし。
本筋は想いを伝えあい、両想いとなった主人公とひめ。
ただ、本人含めて誰もロリコンだとは言わないのは優しい世界過ぎません?w