ごはん食べたい!   天乃聖樹(GA文庫)



貧乏に喘ぐ少年少女たちが、お悩み解決によって糧を得ようと奮闘する腹ペコラブコメディ。
料理勝負でも、大食いでもなく、ただひたすらに空腹をどうにかしようとするお話です。
飢えを凌ぐことよりも、そこまでの過程を重視するタイプの構成になっているので
タイトルに反して、食描写はそれほどではありません。というより、ロクなものを食べませんw
ファンタジックな要素も存在しており、人外キャラも多数登場します。
また、主人公の力が設定的にハーレムを作れといわんばかりなのは嬉しいところ。

主人公は食事を得るために、何でも屋をはじめることになった少年。
両親がオカルト関係の仕事についており、そのことからオカルト知識は豊富。
しかし当の本人は大のオカルト嫌いであり、非現実的なものを頑なに認めようとしない。
気配り上手で面倒見がよく、長いものには巻かれるタイプだったりと社交性は高い。
また、イザとなれば他人のために身体をはったりと男気のあるところも。
が、多大な霊力をその身に宿しており、それが常に体外に漏れ出しているため
一般人からすればそれが不気味な雰囲気を出しているように思えてしまい、周囲からは敬遠されている。
女顔で、一見すると草食系男子なのだが、内心では結構スケベキャラ。
裸よりもタイツやドレスなどの着衣派な性癖。

ヒロインは小動物系な貧乏神、タカビーな妖精女王の末裔、肉食系な犬神お姉さん。
一番のお気に入りは妖精女王の末裔を自称するぼっちお嬢様、鈴木・タイターニア・鈴音。
本当に妖精女王の末裔ではあるのだが、周囲の普通の人間からすれば手遅れな痛い娘でしかない。
そのため、容姿は超がつく美少女であり能力スペックも高いにも関わらず、クラスでは浮いてしまっている。
だが、それでも誇りと気高さゆえに言を翻さない意志の強さの持ち主。
外面はタカビーお嬢様キャラであり、事あるごとに自身の高貴さを主張しているのだが
実際は貧乏に喘いでいて、異性にも免疫がなく純情だったりと弱点も多かったりする。
妖精ゆえに、人の悪意が毒になり、人の好意が薬になる。

現時点(一巻)においての評価はC。
決してつまらなくはないのですが、良い所を挙げろと言われても困ってしまう感じでしょうか。
売りの部分がわかりにくいというか、面白くなりそうな要素が分散しているというか。
お互いの認識の食い違いゆえにどこかズレてしまうキャラの掛け合いは中々面白かったですね。
また、安易にバトル展開を主軸に持ってきていないのも良かったです。
ファンタジー要素を取り入れながらも、あくまで日常系の雰囲気を通したのは好印象。
一巻の時点で話としては普通によくまとまっていましたが、続きはでるのでしょうか?