はばたけ魔術世界の師弟たち! 平成オワリ(電撃文庫)
ぐーたら師匠と魔術師の卵による師弟成長ファンタジーストーリー。
大枠としては師弟ものですね。作中において師匠ポジションである主人公もまた大魔導師の弟子であったりと
師弟関係に重きが置かれており、少しずつ師弟の絆が育まれていく中、師匠が弟子を成長させ
弟子もまた師匠を成長させていく。という、王道の少年漫画のような熱さがある師弟物語に仕上がっています。
下ネタを含むコミカルな描写もあって緩急が効いていますし、サクサク読み進められるかと。
ラブコメ面はメイドのアルトに外堀を埋められまくっている主人公ですが、さて。
主人公は孤児出身ながら大魔導師イシュタルの十人いる高弟の一人である二十四歳の青年。
苦労に対して結果が伴わないがゆえに担い手がほとんどいない付与魔術の使い手。
魔術の才能はあるものの、今は熱意を失い自堕落に過ごしている駄目人間であり
人知れずのんびり過ごしたいと思っているが、その性根は愚直なまでに誠実で、一度した約束は破らず
また、諦めるのが大嫌いで、なにかに背中を見せて逃げる自分が許せない。一番強いのは誰かを守る時。
ヒロインは猪突猛進なお嬢様、毒舌メイド。
一番のお気に入りは主人公の屋敷に住む毒舌吐きまくりな十八歳のメイド、アルト。
紅い瞳、一房に結われた銀の髪、抜群のプロポーションを有する絶世の美人。
いつもメイド服を着ているが、実は勝手に着ているだけなので従者というわけではない。
極度の人間嫌いであり、主人公と自分と住んでいる屋敷だけで世界が完結していて
唯一の例外である主人公に対しても毒舌でぞんざいな扱いが多いが、本質は献身的で甘やかし。
かつて一人で泣いていた自分を闇の底から拾い上げ、ずっと守ってくれた恩人である主人公を心から愛している。
本当の名はアルトセリア・バロール。魔王の一人娘であり、魔族の姫がその正体。
現時点(一巻)においての評価はC。
割と酷い目にあいまくっているのにへこたれず前に突き進み続けるメインヒロインのラピスが可哀そう可愛い。
ぐーたらな駄目人間に見えて性根は超がつくヒーローな主人公も格好良くてグッド。
三人目のメインキャラであるアルトのツンツンしているようで激重な献身っぷりも存在感抜群ですし
申し分のないキャラ立ちをした面々で繰り広げられるドタバタ&熱血な成長物語は素敵の一言。
本筋は師匠に力を示し、認められたことで再び表舞台に立つことになった主人公ですが…?