バグスキル【開錠】で最強最速ダンジョン攻略 空埜一樹(HJ文庫)
最強スキルにバグった【開錠】で最速迷宮攻略物語。
大枠としてはファンタジー世界を舞台にしたダンジョン攻略ものですね。追放ざまぁ類の展開もあります。
絶体絶命の危機で起きた奇跡を切欠にハズレスキルが覚醒し、成り上がり街道一直線!
と、話の方向性はよくある感じではありますが、主人公の能力はあくまで成長効率を段違いにするだけなので
最強無敵なチートで無双! ではなく、コツコツと強くなっていく成長感があるのが良き。スピードは早いですが。
また、彼一人が全部やるのではなく、パーティでしっかり役割分担ができているのもグッド。
ラブコメ面は今のところ進展なし。
主人公は「一日一回宝箱の鍵を開けられる」というハズレスキル【開錠】しか持たない冒険者の少年。
仲間に騙され転移罠の餌食にされてしまうも、そこで出会った迷宮神ラヴィに救われ、力を与えられることに。
純粋でまっすぐ、頑固な性格をしており、命のかかった状況で、それでも他人を思いやれるお人よし。
幼い頃に自分を救ってくれた冒険者(レイナの父親)のようになりたいと願っている。
ヒロインは朗らかな女神、大人びたギルドマスター。
一番のお気に入りは主人公が所属する「勇なる御手」の弱小ギルドマスター、レイナ。
赤く長い髪を後ろで縛り、背中まで垂らしている、切れ長の目に琥珀色の瞳の美少女。
アビリティ【収納】を主人公によって強化され、一緒に迷宮に潜ることに。
物腰穏やかで大人びた性格だが、自分でスキル名を考えて提案したりと子供っぽい一面も。
誰にでも礼儀を払いなさいと母親に教えられてきたがゆえに、誰に対しても敬語で喋る。
父親が生きていた頃はギルドの皆によく振る舞っていたため、料理が上手い。
現時点(一巻)においての評価はC。
主人公が超常存在から与えられた力で落ちこぼれを脱し、飛躍していく。
という流れだけ見れば「またこのパターンか」と思ってしまいますが、手に入れた力自体には戦闘力がなく
主人公が頭を使い、更に試行錯誤という努力を重ねて初めて輝く、という過程が挟まれているため
ご都合主義感をあまり覚えることなく、素直に主人公たちを応援できるのがよいですね。
制限もついているのでどう足掻いても一足飛びでは強くなれないようになっていますし。
主人公自身も、己の夢にひたむきなまっすぐさが眩しくて好感しか持てませんしね。
本筋は悪神の刺客を退け、五大迷宮のひとつをクリア。そして「勇なる御手」も本格復活へ。