魔王の元側近は勇者に転生しても忠誠を捧ぐ ツカサ(富士見ファンタジア文庫)
学院都市の学長となった魔王と元側近のすれ違いハーレムファンタジーストーリー。
大枠としては未来転生ものですね。主人公のみならず、ヒロインたちも転生している点が特徴でしょうか。
なお、転生したヒロインたちは勇者になっており、主人公は元魔王なので勇者と魔王ものの要素。
更には主人公は平穏に暮らしたいのに、ヒロイン側は世界征服頑張るぞ! というすれ違い要素もあります。
あと、主人公は神をも屈服させられるレベルの最強ということもあって、戦うこと自体は少なめですが
その分ヒロインズが前面に出て活躍していて、彼自身は切り札的な扱いになっているのが良い塩梅かなと。
おかげで割と詰んでる感がある世界情勢なのに、まったく悲壮感を覚えることがないですし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。
主人公はかつて人族と魔族の長きにわたる戦いに終焉と勝利をもたらし、世界を滅び尽くした歴代最強の魔王。
自身に忠誠を誓い、戦い死んでいった六魔臣を新しい世界へ転生させたが、何故か皆美少女勇者になっていた。
理知的で落ち着いた性格をしており、言動こそ魔王らしく尊大だが、悪意で動くことはない。
過保護なほどの配下想いで、彼女たちには人間としての幸せを見つけ、未来を生きてほしいと考えている。
その生まれと経歴ゆえに色恋に興味はなく、情緒もまったく育っていない。
ヒロインは高慢の銀狼、強欲の黒竜、嫉妬の邪精霊、暴食の暴鬼、怠惰の真祖、色欲の夢魔。
一番のお気に入りは元六魔臣の一人「強欲の黒竜」の転生体にして現オニキスの勇者、リド・グリドラ。
黒い軽装の鎧と、頭の上に被った竜の角を思わせる飾りがついた冠が特徴的な美少女。
前世では魔王軍を守る結界を展開する盾であり、一旦攻勢に転じれば何もかも奪いつくす戦力の要だった。
強欲かつ尊大、生真面目な性格だが、淡々とした口調で冗談も言える。主人公に対してはやや過保護気味。
前世の頃から宝石やピカピカしたものが好きで、転生してからも色々なアクセサリーを集めている。
現時点(一巻)においての評価はC。
物語開始時点でヒロイン六人、なおかつ全員好感度マックスというわかりやすいハーレム状態が素敵。
こういう設定の作品は、何かしらの理由をつけて何人かのヒロインは二巻以降に投入するのがお約束ですが
序盤で一気に全員集合! わだかまりも裏切りも内輪揉めもなし! 全員主人公第一! という潔さに感心。
ヒロインズは転生前は魔物であったため、女としての恋愛感情というよりも忠誠心のほうが目立つ感じですが
主人公含め、転生前の感覚があるがゆえの好意の噛み合わなさが見ていて微笑ましいですね。
本筋は異世界に転生していた敵魔王の陰謀を粉砕し、学院都市のひとつを制圧した主人公。
しかし他の学院都市の実情はいまだ不明、襲来する異世界の敵も謎だらけと油断はできず…?