平民出身の帝国将官、無能な貴族上官を蹂躙して成り上がる
花音小坂(富士見ファンタジア文庫)
悪徳上官を蹂躙する、爽快成り上がりファンタジーストーリー。
大枠としては転生ものですね。と言っても主人公の前世は日本人ではなく、ファンタジー世界の住人なので
現代知識チート無双! 転生特典で人生イージーモード! みたいな展開はありません。
ただ、最強魔法使いという肩書きに違わぬ実力持ちではあったため、自力(才能や経験)は飛びぬけており
本作はそんな有能極まりない主人公がタイトル通り、己の意思と力で無能な味方を蹂躙&排除していき
テンポよく勝利を重ねて成り上がっていく、爽快感溢れるざまぁ展開が楽しめます。
ラブコメ面は今のところ進展なし。というか恋愛するのかこの主人公?
主人公は平民出身を理由に最前線に左遷されてしまった新任帝国将官の青年。
実は転生者であり、前世は別の大陸で二百年もの時を生きた史上最強の魔法使い。
冷酷非情にして合理主義の塊のような性格で、基本的に他人を信用しておらず
敵だと見定めた途端、相手が誰であろうと容赦せず徹底的に潰すというストロング思考の持ち主。
また、他者のことを思いやり、理解するということができないが、誠実な対応には誠実な対応で返し
出自で人を判断せず、能力と功績のみで評価するため、部下からは慕われている。
軍人ではあるが、国への忠誠心はなく、帝国を使って自身の利益を最大限にすることが目的。
無抵抗の者にだけ傲慢に振る舞う輩は吐き気がするほど嫌い。
ヒロイン(というかレギュラー)は図太いロリ、心優しき護衛、才女な同期。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(二巻)においての評価はC。
上も下も腐敗した人間が多くのさばっている帝国を舞台に、主人公が無能な悪を蹂躙、成り上がり街道一直線!
と、あらすじだけで見れば主人公が正義のヒーローのように見えますが、内実は異なります。
いや、敵に容赦がなく、冷酷で情がほとんどないというだけで外道でも悪人ではないんですけどね。
結局のところ、無能を許さないというだけなので、言動の過激さはともかく、動機は納得できますし。
まあ、リアルだったら公私ともに絶対に関わりたくないタイプであるのは間違いないのですが。
本筋は無能な上官たちを排除するも、結果として左遷され、主人公は次の任地である不毛の大地へ。