物語に一切関係ないタイプの強キャラに転生しました 音々(角川スニーカー文庫)
設定外のキャラが無自覚無双!? 新感覚、異世界ファンタジーストーリー。
大枠としては異世界(ゲーム世界)転生ものですね。この手の話における主人公の転生先は
ゲーム主人公、ラスボス、嫌われものな噛ませ犬、主人公の親友キャラなどの存在感があるキャラ。
いわゆるネームドキャラとなるのが常ですが、本作での転生先は会話の中ですら一度も見たことのないキャラ。
そのくせ戦闘力は激強という、つまりはタイトル通り「物語に一切関係ないタイプの強キャラ」となっています。
実力が規格外であっても、立ち位置自体はモブであり、本来ならば物語に影響を与えないはずの存在。
しかし中身が転生者という未知数であるがゆえに本来のシナリオが崩壊していく展開が楽しいです。
ラブコメ面はヒロインたちアプローチを仕掛けられ始めた主人公ですが、さて。
主人公は和製RPG「ネオンライト」の世界に、くたびれたサラリーマン風の青年として転生した社畜。
転生前は「ネオンライト」が大好きで、一生分の情熱を費やすほどの大ファンだった。
お人好しで流されやすい性格。余計なことを考えがちなのに思慮が足りないことが多い。
運動などをしなくてもある程度肉体が万全な状態で保たれる体質(魔法の副作用)をしているが
その利便性とは裏腹に、当人はどれだけ無茶な仕事をしても過労死しないことを嘆いている。
原作については間近で見てみたいとは思っているが、それによって引き起こされるズレのほうが恐ろしいため
自ら率先して関わろうとは思っておらず、毎日をただ過ごせればよいと思っている。
ヒロインはアイドル&夢見がちな悪龍姉妹、苦労人なレジスタンスリーダー。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(二巻)においての評価はC。
この手の作品において、本編サイドに関わらないように静かに暮らそうとする主人公の目論見が成功することは
話の都合上まずありえないですし、残念(?)なことに本作主人公もその例に漏れないわけですが
いきなりボスキャラ姉妹と接触してしまった上、あっという間に懐かれるというのはジェットコースターすぎである。
それ以降も、デートに出かけたら先のボスと遭遇したり、ラスボスに目をつけられたり…
よくある原作介入したくない詐欺(自業自得)パターンとは言い難いだけに、ご愁傷様の一言に尽きますね。
それはそれとして主人公の厨二感全開な能力は格好いいし、無双っぷりは気持ちよいのですが。
本筋は友人を助けるも、結果として原作キャラに近づくことになってしまい…?