最強守護者と叡智の魔導姫   安居院晃(オーバーラップ文庫)



天使を護るは最強の死神。禁書の叡智を巡って起こる最強バトルファンタジーストーリー。
悪用すれば国が亡ぶと言われる呪いや力を持つ「禁書」が物語の核となっている作品ですね。
物騒な物を巡る話であるがゆえにバトル展開が多いですが、枷があるとはいえ主人公の能力と戦闘力は
凶悪かつ最強と評して差支えがないので、描写こそややハードではあるものの爽快感はバッチリ。
ラブコメ面は今のところなんだかんだでメインヒロインのクムラが有利っぽいですが…?

主人公はブリューゲル王国になる禁忌図書館の最高司書官クムラの補佐官を務めている少年。
天使の特徴でありながら、悪魔とも見れる姿をしており、本人も自分が何者かがわからない。
物腰穏やかで心優しく慎重な性格だが、怒ると怖く、戦いとなれば敵には容赦がない。
ブリューゲル王国における美少年ランキングで三年連続一位に輝くほどの容姿の持ち主であり
それに加えて無意識のうちに女の子の心を落とす行動をとってしまうため、天性の乙女キラーと呼ばれている。
三年前に夜の海岸でクムラに助けられる以前の記憶を持ち合わせていない。

ヒロインはポジティブな司書官、生真面目な学者、煩悩塗れ聖女。あと、まだ未登場ながら、帝国の姫も?
一番のお気に入りは王国考古学研究所、禁書班の学者を務める悪魔、ファム。
肩口で毛先が揺れる艶やかな紅玉色の髪、少し垂れ、穏やかな印象を与える同色の瞳。
背中と尾てい骨部分にある悪魔族という種族を象徴する黒い羽と尻尾が特徴的な美少女。
生真面目でまっすぐ、堅物な性格をしており、途中で意見を変えることを極端に嫌うタイプ。
また、感受性豊かなため、しっかり者に見えて思い込みが激しく夢中になると周りが見えなくなりがち。
同級生のクムラに対して内心劣等感を抱いている。

現時点(二巻)においての評価はC。
世界観がややダーク気味であるため読後感はやや重めですが、その分日常での掛け合いは軽妙なので
メリハリのある読み味が楽しめるかと。主人公はモテモテなのでラブコメ描写も多いですし。
キャラに関しては、行く先々で女性を惹き付けまくる主人公の美男子っぷりがインパクト強し。
モテる主人公自体はよく見かけますが、本作のように異性を虜にする描写が満載されているのは珍しい。
そんな彼の対を張るポジションだからこそなのか、メインヒロインのクムラの癖の濃さも相当ですが。
本筋は聖女の実家で暗躍していた外道の魔女の企みを粉砕し、次巻。