弱小国家の英雄王子 楓原こうた(オーバーラップ文庫)
平和に生きたい最強王子が、国を守るために泣きながら力を振るう異世界無双ファンタジーストーリー。
大枠としては無双の働きで勝利を掴む英雄を主人公にした戦記ものということになるのでしょうか。
英雄と呼ばれている王子だけど、その本質は自堕落な生活を送ることしか考えていないただの戦争嫌い。
といった感じの勘違い要素も一応含まれていますが、結果的には毎度なんだかんだで戦いに赴いていますし
実力も実績も破格なのは確かなので、常勝の英雄であることは疑いようがないんですよね…
そもそも主人公自身、本性を隠しているわけではないので勘違い要素がほとんど仕事していませんし。
ラブコメ面は主人公が本気で求婚すればOK出しそうなヒロインが複数いるようですが、さて。
主人公は魔法を極めた魔術師であり、圧倒的戦闘センスを持つウルミーラ王国の第二王子。
命を張りたくないのに、部下が傷つくのを嫌がり、帰る家のあるものを見捨てられない。
という矛盾じみた優しさの持ち主で、王族らしからぬ気さくさもあって部下たちからは慕われている。
欲に流されやすい現金な性格だが、イザという時は利よりも情で動くタイプ。
色恋に関しては好きになった人にはとことん一途であり、相手の気持ちを尊重するタイプ。でも娼館には通う。
ヒロインは毒舌メイド、マイペースな魔術師、理知的な皇女、純真な聖女。サブに聡明な妹王女。
一番のお気に入りはイルムガンド神聖国に所属する四人の聖女の一人、ソフィア・ベネット。
愛くるしくも可愛らしい顔立ち、透き通った翡翠色の双眸、長いプラチナブロンドの髪が特徴的な美少女。
聖女らしく、純真無垢を体現したような性格をしており、お化けやサンタ、妖精の存在を本気で信じている。
現時点(二巻)においての評価はC。
戦いを嫌がりながらも、周囲に上手いこと使われたり、情ゆえにヒロインたちの窮地を放っておけなかったりで
結局戦場の英雄として活躍してしまう主人公が実にライトノベルの主役らしくて親しみやすいです。
普段は三枚目なのに、イザとなれば英雄らしく決めてくれるとか、そりゃヒロインたちも惚れちゃいますわな。
まあ、そのヒロインたちが皇女だの聖女だのと面倒な面子ばかりだから苦労感マシマシなのですが。
本筋は賢者の弟子を巡って起こった魔法国家との戦いに勝利し、新たな仲間(メイド)ができた主人公。
しかし今度は連邦が攻めてきて、まだまだ戦争からは逃れられない様子。