あと1ヶ月で転校する僕の青春ラブコメ   絵戸太郎(MF文庫J)



転校まであと1ヶ月を切った少年に巻き起こる、刺激的な青春ラブコメストーリー。
大枠としては学園青春ラブコメですね。主人公はあと一ヶ月足らずで転校することが決まっており
そのため、作中における物語完結までの時間的期限がハッキリとしているのが特徴。
親しい人たちとの別れがは確定しているとはいえ、後ろ向きな要素はほとんどないので読みやすいです。
転校アルバム作りやT&Nという発想も、いかにも青春といった感じでエモいですし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。

主人公は急にあと一ヶ月で転校することが決まってしまった高校二年生の少年。
真面目で堅物な性格で、気遣いもできるのだが色々と考えすぎてしまうタイプでもある。
上記の性格からか、小学生の頃からクラス委員長を務めており、中学時代は生徒会長でもあった。
長年の経験もあり、集団を取り仕切るのが上手く、クラスメイトからの人望も高め。

ヒロインは転校生な幼馴染、控えめな幼馴染、読書家な同級生。サブに従姉な生徒会長、平熱の高い先輩。
一番のお気に入りは生徒会で書記を務めている同級生、真木アイリ。
黒みがかった鳶色の瞳、地毛のハニーブロンド、北欧の血筋を感じさせる真っ白な肌の美少女。
昭和めいたお下げ+太い縁の眼鏡という装いだったが、一巻ラストでそれらをやめ、イメチェンした。
純文学ばかり読んでいることから「文学エルフ」というあだ名がついているが
あだ名や儚げな外見とは異なり、生まれも育ちも日本な自分を外人扱いする人たちに
日本文学の知識でマウントをとるのを気持ちよく感じていたりと、捻くれた性格をしている。

現時点(一巻)においての評価はC。
転校が決まった主人公に思い出を作ってもらうべく周囲の人間が動き、彼もその想いに応える。
変な捻りや落とし穴など一切ない、幸せと人情に溢れた優しい世界にほっこりできます。
この手の話では主人公が面倒くさい性格であることが多いですが、この作品の主人公はそんなことはなく
割と素直に皆の好意を受け入れていますし、ただされるがままでないところもよいですね。
ただ、一巻時点では全然ラブコメをしていないため、タイトル詐欺感がありますが…
本筋は転校アルバム制作が順調に進行中。転校まで残り十六日。